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ブログ記事を量産する前に「別記事として成立する題材」を数える|本数目標から逆算すると水増しになる理由と、題材の上限を先に出す手順


ブログ記事を量産する前に「別記事として成立する題材」を数える|本数目標から逆算すると水増しになる理由と、題材の上限を先に出す手順

ブログ記事を量産する前に「別記事として成立する題材」を数える|本数目標から逆算すると水増しになる理由と、題材の上限を先に出す手順

AIで記事が書けるようになると、「1日10本」「まず200本」のように、本数から目標を立てたくなります。書く手間が下がった以上、本数で押し切りたくなる気持ちは自然です。

ただ、ブログの本数を決めているのは書く速さではありません。そのサイトで書いてよい範囲の中に、別の記事として成立する題材がいくつあるかです。題材の数を超えて書いた記事は、どう工夫しても既存記事の言い換えか、業種名や地域名を差し替えただけの記事になります。

先に結論を書きます。

  • 本数の目標を決める前に、題材の上限を数える。「需要の形跡がある」「公式情報や自社の実例で裏付けられる」「既存記事と検索意図が別」の3条件をすべて満たすものだけを1本と数える
  • 数えないものを先に決めておく。業種名の差し替え、季節ごとの版、同じ悩みの言い換え、定期更新のデータ記事、「〇〇とは」型の総論は、本数に入れない
  • 1日の本数は、書く速さではなくレビューの処理量で決める。公開前の確認が回らない本数を出すと、誤りを含んだ記事が公開される
  • 題材の上限が目標に届かないときは、不足分をブログ以外の手段で埋める。本数で埋めようとすると、Googleのスパムポリシーが例に挙げる大量生成に自分から近づく

以下、実際に「200本」の目標に対して題材を数えた例と、同じ手順を自社で使うときの進め方を説明します。

本数から逆算すると何が起きるのか

たとえば「1日10本×20日=200本」という目標を立てたとします。題材の上限が76本なら、差の約120本は、すでに書いた題材を別の言葉で書き直すことでしか埋まりません。

Googleの検索セントラルが公開しているスパムに関するポリシーでは、「大量生成されたコンテンツの不正使用」を次のように定義しています。

> 大量生成されたコンテンツの不正使用とは、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを指します。

例の最初には「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」が挙がっています。ポリシーの定義は「目的」と「価値」で書かれていて、1日に何本以上なら違反という数の基準は書かれていません。つまり、1日10本という本数そのものが問題なのではなく、題材が尽きたあとに価値を足さずに本数を埋めることが、この例に近づくということです。

もう一つの問題は品質の確認です。本数を先に決めると、確認にかけられる時間は「1日の作業時間÷本数」で自動的に決まってしまいます。本数が多すぎれば、確認が追いつかないまま公開することになります。

実例:新設ブログで「200本」の目標に対して題材を数えた

当社が提供している口コミ運用サービスの専用ブログを立ち上げたとき、「認知を早く広げたいので、毎日10本×20日で200本」という目標が出ました。扱う範囲はGoogleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)と口コミの仕様、多店舗での運用です。

そこで本数を決める前に、この範囲で別記事として成立する題材を数えました。立ち上げ時に設計済みだった30本に、追加で成立する題材を洗い出して足していきます。

カテゴリ 設計済み 追加(うち確度高) 計
マップ表示のトラブル 10 17(12) 27
口コミの運用 7 12(9) 19
AI検索と店舗情報 6 7(5) 13
多店舗の運用 5 8(5) 13
自社の実測データ 2 2(0) 4
合計 30 46(31) 76

結果は総数で約76本、確度の高いものは61本でした。ただし61本の中にも、需要が小さいものや公式ページの確認が済んでいないものが含まれており、確認次第でさらに5〜8本減る可能性があります。検索ボリュームは測っておらず、需要は「形跡があるか」だけで判定しています。60本を超えたあたりから既存記事との重なりが出始め、80本を超えて残る候補は、業種名の差し替え、同じ検索語の言い換え、総論、そして当社のメインブログがすでに扱っている領域への踏み込みだけになりました。

上限を決めていたのは、書く側の力ではなく「そのサイトで書いてよい範囲」です。Googleマップと口コミの仕様を解説する記事は、公式ヘルプで裏付けが取れないことは書けません。公式ヘルプのページ数には限りがあるので、題材の数にも自然に天井ができます。

この結果を受けて、目標は次のように置き直しました。

  • 本数は題材の上限(確度の高い61本)まで。200本は目標にしない
  • ペースは平日1日1本・週5本。規約に踏み込む重い記事は週2本まで
  • 順番は、設計済みで未執筆の記事から書き、次に確度の高い追加題材、最後に需要の小さい題材へ進む。この順番とペースで、61本に届くのは約10週後
  • 早く認知を広げる目的には、ブログの本数ではなく、メインブログからの送客、SNS、個別の案内など別の手段を並行する

手順:題材の上限を出す

同じ手順は、店舗のブログやホームページのコラムでも使えます。

1. そのサイトで書いてよい範囲を決める

最初に、サイトの役割と、関連サイトとの書き分けを決めます。上の例では、サービスの専用ブログは「仕様のトラブル解決・多店舗運用・実測データ」、メインブログは「店舗側から見たやり方と判断」と、検索される言葉の型で分けました。範囲を決めずに数えると、関連サイト同士で同じ検索語を取り合う題材まで数に入ってしまいます。

2. 題材を列挙し、3条件で1本ずつ判定する

思いつく題材を並べたら、1本ずつ次の3つを確かめます。

  1. 需要の形跡があるか:サーチコンソールで関連する検索語に表示がある、お客様から実際に聞かれた、検索候補に出てくる、など
  2. 裏付けがあるか:公式ヘルプの記述、自社で測った数字、実際に対応した事例のどれかで、本文の柱を支えられるか
  3. 既存記事と検索意図が別か:同じ悩みに別の言葉で答えているだけではないか

3つとも満たすものを1本と数えます。1つが弱いものは数に入れたうえで「確認待ち」の印を付け、2つ以上欠けたものは数えません。

3. 数えないものを先に決める

本数が水増しされる典型は、次の5つです。題材を並べる前に「これは1本と数えない」と決めておくと、判定がぶれません。

  • 業種名・地域名の差し替え版:「美容室の〜」「整骨院の〜」で中身が同じもの
  • 季節ごとの版:連休版・年末版などは、1本の記事を毎年更新する
  • 定期的に数字が変わるデータ記事:月次や年次の更新は同じURLで上書きする
  • 同じ悩みの言い換え:「表示されない」「出てこない」のように、同じ悩みに別の言葉で答えているもの
  • 「〇〇とは」型の総論:個別の記事がすでに答えている内容を束ねただけのもの

4. 確度で3群に分ける

判定した題材を、A群(3条件を満たす)、B群(成立するが需要が小さい、または裏付けの確認が済んでいない)、C群(既存記事の1節と重なる境界線上)に分けます。C群は新しい記事を書くより、既存記事への加筆で済ませられないかを先に検討します。公開後の検索データを見て、加筆か新規かを決めても遅くありません。

5. 自社の既存記事と突き合わせる

最後に、自社サイト内の既存記事と照合します。当社のメインブログでは、記事ネタの台帳にこれまで371件を起票し、そのうち64件(約17%)を「既存記事と重複」の理由で書かずに却下しています。題材の上限は、この照合を通った後の数で数えます。

1日の本数はレビューの処理量で決める

題材の上限が決まったら、次は1日の本数です。ここで基準にするのは、書く速さではなく公開前の確認がどれだけ回るかです。

上の新設ブログでは、最初の12本を公開前にレビューしたところ、修正は合計106か所、1本あたり平均で約9か所になりました。公開前に止めるべき誤りには、公式ヘルプの記述を取り違えた引用も含まれていました。

この量を1日10本で受けると、毎日90か所前後を直すことになります。AIで書く工程をいくら速くしても、詰まるのは確認の工程です。そこで、ペースの引き上げ条件も数字で決めました。

  • レビューでの修正が、2週続けて1本あたり3か所以下に下がったら、週7〜8本へ上げる
  • それまでは週5本を守る

修正を減らすには、指摘をその場で執筆側のルールに書き足すことが欠かせません。上の例では、レビューの指摘を執筆ルールに5行追記したところ、次の3本では引用がすべて原文と一致し、同じ種類の誤りは出ませんでした。ただし別の種類の修正は引き続き出ており、この時点では1本あたりの修正数はまだ下がっていません。確認の負荷が実際に下がってから本数を上げる、という順番が安全です。

AIで書いた記事を公開前にどう検品するかは、AIで店舗ブログを自動投稿するなら「下書き→検品→承認→投稿」にするで詳しく書いています。

本数を優先したときに起こりうるリスク

題材の上限を数えずに本数を優先すると、次のような問題が起こりえます。いずれも、上の手順で予防できます。

公式情報の誤引用が増える。AIが公式ヘルプを読むとき、途中で要約された内容をもとに書くと、項目の取り違えや「〜はできない」という言い過ぎが混ざることがあります。規約や仕様を解説する記事は、確認する側が公式ページの原文を取得して、引用を一字一句突き合わせる工程を入れておくと防げます。本数が多いほど、この工程が省かれやすくなります。

匿名化したつもりの数字から、実在の店舗が特定される。記事の中で店名を伏せても、同じドメインのサービス紹介ページに導入先のブランド名が書いてあれば、個店の件数や評価を並べるだけで店が特定できてしまいます。レビューでは記事単体ではなく、同じドメインのページとリンク先まで読むようにします。

自社データの前提条件が抜け落ちる。自社の実測値は強い一次情報ですが、集計した期間の途中で、集計の対象や運用の条件が変わっていた場合、その条件を書かずに数字だけ出すと誤解を招きます。数字を外に出す前の確認点は、自社の実績を数字で発信する前に確かめる3点にまとめています。

新しいドメインでは、すぐに検索から人が来ない。立ち上げたばかりのブログは、検索エンジンがサイトマップを読みに来るまでにも時間がかかります。上の例でも、立ち上げ当日の夜の時点では、サーチコンソールがブログのサイトマップをまだ取得していませんでした。短期間で認知を広げたい目的に対して、記事の本数は効きの遅い手段です。

まとめ

ブログの本数は、目標として先に決めるものではなく、題材を数えた結果として決まるものです。

  • [ ] サイトの役割と、関連サイトとの書き分けを決めたか
  • [ ] 題材を「需要の形跡」「裏付け」「既存と検索意図が別」の3条件で判定したか
  • [ ] 業種差し替え・季節版・言い換え・定期更新・総論を本数に入れていないか
  • [ ] 題材をA・B・C群に分け、C群は既存記事への加筆を先に検討したか
  • [ ] 自社の既存記事と突き合わせた後の数で、上限を出したか
  • [ ] 1日の本数を、レビューで直している箇所の数から決めたか
  • [ ] 本数を上げる条件(修正数がどこまで下がったら上げるか)を数字で決めたか
  • [ ] 上限が目標に届かない分を、ブログ以外の手段で補う計画があるか

本数で成果が出るかどうかの検証は、美容室のブログ集客はAI量産で成果が出るのかで、実際に運用したデータをもとに書いています。題材の重なりを防ぐ台帳の作り方は、美容室SEOで「記事被り地獄」を脱出した14本設計の全手順が参考になります。

よくある質問

Q. 題材の上限まで書き切ったら、ブログの更新は止めるべきですか

止める必要はありません。上限は「その時点で成立する題材」の数なので、仕様の変更、新しいお客様の質問、自社で新しく測った数字などが出れば、題材は増えます。書き切った後は、公開済み記事の更新と、検索データを見ながらの加筆に比重を移すのが現実的です。

Q. 業種ごとに記事を分けるのは、すべて水増しになりますか

業種によって答えそのものが変わる場合は、別記事として成立します。たとえば、医療機関には広告や口コミの扱いに業種固有の規制があるため、美容室向けの記事とは結論が変わります。判断の基準は、業種名を入れ替えたときに本文の結論まで変わるかどうかです。業種名だけが変わって本文がほぼ同じなら、1本にまとめます。

Q. 題材の数え方をAIに任せてもよいですか

候補の洗い出しと分類にはAIが役立ちます。ただし「需要の形跡」はサーチコンソールなど実際の検索データで、「裏付け」は公式ページの原文や自社の記録で、人が確かめる必要があります。AIが「確度高」と判定した題材でも、裏付けとなる公式ページが見つからなければ、その題材は数から外します。

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