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多店舗の口コミ状況を毎月1枚にまとめる項目|自店の推移と全店一覧の2枚構成にした理由と、順位を再計測して載せる運用


多店舗の口コミ状況を毎月1枚にまとめる項目|自店の推移と全店一覧の2枚構成にした理由と、順位を再計測して載せる運用

多店舗の口コミ状況を毎月1枚にまとめる項目|自店の推移と全店一覧の2枚構成にした理由と、順位を再計測して載せる運用

複数の店舗を持つ会社が、Googleの口コミ状況を毎月まとめて各店に配ろうとすると、最初に「何を載せるか」で止まります。口コミの件数、平均評価、返信率、検索順位。どれも大事に見えて、全部載せると1枚に収まらず、絞ると「で、うちの店はどうなの」に答えられません。

先に結論を書きます。

毎月の口コミレポートは、1枚目に「自店の推移」、2枚目に「全店の一覧」を置く2枚構成にします。1枚目は累計と当月新規を必ず分けて載せ、順位はレポート直前に再計測した参考値として、検索語と計測日を添えて載せます。 1枚で全部を見せようとせず、「自分の店がどう動いたか」と「全体の中でどこにいるか」を紙で分けるのが、店舗が読んで動くレポートの形です。

この記事では、graciauto(名古屋のWEB制作会社)が美容サロンFCの本部向けに構築し、20店舗のオーナーへ毎月配っている口コミ状況レポートの実例をもとに、1枚目に載せる項目、順位の扱い、2枚目を付けた理由、累計が前月より減ったときの扱い、続けるための検証手順をまとめます。

結論:1枚目に載せる項目

1枚目は自店だけの紙です。載せる項目は次の通りで、この順に上から並べます。

区分 項目 載せ方
累計 口コミ数・返信数・返信率・平均評価 開店から現在までの積み上げ。その店の「土台」
当月 新規口コミ数・返信数・返信率・当月の平均評価 対象月だけの動き。ここが毎月変わる数字
比較 前月との比較 当月新規を前月新規と並べる。差分は数値で
推移 週別の新規口コミ数 月内のどこで増えたかが見える
順位 検索語2つの参考順位と上位3店の店名 計測日・検索語・注意書きを紙面に明記
行動 翌月の運用ポイント 数字を受けて、来月やることを1〜3行

ポイントは「累計」と「当月」を別の枠にすることです。累計だけを載せると、100件を超えた店では当月の1件2件が埋もれて動きが見えません。当月だけを載せると、開店直後で当月0件の店が「何も無い店」に見えます。両方を並べて初めて、「土台がある店の今月」と「土台を作っている途中の店の今月」を同じ紙で読めます。

実例:20店舗の美容サロンFCで毎月配っている口コミ状況レポート

対象は名古屋を中心に20店舗を展開する美容サロンFCの本部です。各店舗のGoogle口コミは本部の口コミ管理ツールで同期しており、そこから店舗別の集計値だけを取り出して、毎月A4縦のPDFを店舗ごとに作り、オーナーへ配っています。

直近の8月版の数字は次の通りです。

項目 20店舗合計
累計口コミ数 557件
累計返信数 556件
8月の新規口コミ 21件
8月の返信 20件
全店平均評価(件数加重) 4.6

7月の新規口コミは39件だったので、夏は半減しています。これは20店合計の数字ですが、各店の1枚目には自店の数字だけが載り、この合計は2枚目に回します。

返信率がほぼ100%なのは、口コミ返信を「下書きはAI、公開は人が承認する」運用で全件回しているためです。返信の運用そのものは口コミ返信をAIに書かせてよいかに書きました。本稿は、返信が回ったあとで「状況をどう見せるか」の話です。

1枚目の設計:自店の推移で完結させる

1枚目の設計で決めたことは3つあります。

1つ目は、他店との比較を1枚目に入れないことです。 同じFC本部の売上分析では、以前「他店と比べると、どうしても単価が高い店舗への評価になりがち」という指摘があり、評価軸を他店比較から「その店の推移」へ切り替えています。口コミも同じで、立地も開店時期も違う店を同じ紙で比べると、開店直後の店が毎月「最下位」の紙を受け取ることになります。1枚目は自店の前月比と週別推移だけで完結させます。

2つ目は、返信率を累計と当月の両方で出すことです。 累計返信率が99%でも、当月の新規5件のうち1件が未返信なら当月返信率は80%です。当月の返信率が落ちた店は、翌月の運用ポイントで「未返信1件」と書けます。累計だけでは、この1件が見えません。

3つ目は、翌月の運用ポイントの月名を対象月から自動で出すことです。 「8月の運用ポイント」のように月名を文面に固定して書くと、月替わりのたびに直す箇所が生まれ、直し忘れた月に「9月版なのに8月の運用ポイント」という紙が配られます。月名は対象月から計算で出し、文面に数字を埋め込まない設計にしておくと、翌月以降は対象月の指定だけで生成が回ります。

順位の扱い:参考値として、毎回再計測して載せる

売上分析では順位を書かないのに、口コミレポートには順位を載せています。理由は、口コミの順位は行動に直結するからです。「白髪染め」のような業態語で検索したときに自店が何位に出るかは、口コミの件数と評価と返信の積み上げで動く数字で、翌月の運用ポイントとつながります。売上の順位は店の立地と単価に引きずられますが、検索順位は各店の運用で変えられます。

ただし、載せ方には条件を付けています。

検索地点付きの「参考順位」であることを紙面に書く

Googleマップの順位は検索する場所で変わります。レポートの順位は、店舗ごとに決めた基準点から検索した結果で、オーナーが自分のスマホで見る順位と一致するとは限りません。紙面には計測日・検索語・「基準点からの参考順位で、個人の表示とは異なる場合がある」という注意書きを毎回入れます。この注意書きを省くと、「レポートは1位なのに自分のスマホでは3位だった」という問い合わせが毎月来ます。順位の測り方の考え方はMEOの順位チェック方法にまとめています。

検索語は2つ、上位3店の店名まで載せる

検索語は業態を表す語(例:白髪染め専門店)と、より広い語(例:白髪染め)の2つにしています。1語だけだと、その語で1位の店は毎月同じ紙を受け取ることになり、広い語での位置が見えません。

順位は「自店が何位か」だけでなく、計測時点の1位・2位・3位の店名まで載せます。自店が2位のとき、上に誰がいるかで来月の打ち手が変わるからです。同じFC内の店が上にいるなら順位争いではなく、別の競合が上にいるなら口コミの件数差を見に行けます。自店の行は色と太字で分け、店名が長くても1店1行で配置します。

8月版では、業態語で1位が13店、2位が5店、3位が1店、5位が1店でした。5位の1店は8月末に有効化したばかりの新店で、口コミ0件です。この店の紙には「上位3店は既存の競合、自店は初期獲得フェーズ」と読める材料が載ります。

順位はレポート直前に必ず再計測する

順位計測の結果には有効期限を設けています。本部のツールでは計測結果を30日で自動破棄する設計にしており、前回の計測値が残っていても、レポートを作る直前に全店ぶんを取り直します。20店×2語で40件の計測なので、地図APIの無料枠に収まります。

前回の計測値を使い回すと、8月4日に測った順位を9月3日のレポートに載せることになります。1か月前の順位は、その間の口コミ増減を反映していません。「レポートに載せる順位は、レポートを作る日に測る」を手順に固定しておくと、この取り違えは起きません。

2枚目の設計:全店一覧で相対位置を見せる

1枚目を自店の推移で完結させたうえで、「全店の口コミ数と平均評価の一覧も欲しい」という本部の要望に応えたのが2枚目です。1枚目に混ぜず、別紙にしました。

2枚目の構成は次の通りです。

位置 内容
上段 全店KPI 4枚:全店累計口コミ数/当月の全店新規/全店平均評価(件数加重)/自店の順位(n位/20店)
下段 店舗別一覧 20行:順位・店舗名・累計口コミ数(バー付き)・当月新規・累計返信率・平均評価

並び順は累計口コミ数の多い順で、同数は同順位にします。自店の行だけ薄い色の地に太字で強調し、一覧の中で自分の位置がすぐ分かるようにします。

2枚目を付けたことで、店舗別のPDFは2ページ、本部確認用の全店統合版は40ページになりました。統合版は各店の1枚目と2枚目をそのまま連結したもので、本部はこれ1つを見れば全店の紙面を確認できます。

2枚目に「全店の中での位置」を置いたのは、1枚目の「他店比較を入れない」と矛盾しません。1枚目は評価の紙、2枚目は事実の一覧です。順位を付けて評価するのではなく、「20店の中で累計はここ、平均評価はここ」という位置を数字で示すだけにしています。

累計が前月より減ることがある:数字のズレの扱い

毎月続けると、前月のレポートに載せた累計口コミ数と、当月レポートの「前月」欄の数字が合わないことがあります。

8月版では、20店中6店で累計が前月版と1〜2件ずれました。減った店が4店、増えた店が2店です。原因はGoogle側の口コミ削除と再同期で、投稿者が口コミを消したり、Googleがポリシー違反として非表示にしたりすると、累計は減ります。逆に、同期の遅れで前月に数えられなかった口コミが後から入ると増えます。

この現象は避けられないので、扱いを先に決めておきます。

  • 当月のレポートは現在の実数で出す。 前月版に合わせて数字を調整しない。累計は「今Googleに載っている件数」と定義する
  • 前月の新規が消えた店は、比較欄を「比較対象 0件」と表示する。 ある店では7月の新規1件が8月までに消えたため、8月版の「前月」は0件と表示しました。前月版の紙には1件と載っているので、オーナーが見比べれば差に気づきます。問い合わせがあったときに「口コミが1件消えています」と説明できるよう、本部側で差分を把握しておきます
  • 生成後に、前月版の数字と当月版の前月値を突き合わせる。 差があった店を一覧にして、本部が配布前に把握します。この突き合わせを飛ばすと、オーナーからの指摘で初めてズレを知ることになります

「数字が合わない」を隠すのではなく、「口コミは消えることがあり、レポートは現在の実数を載せる」という前提を本部とオーナーで共有しておくのが、毎月続けるうえでいちばん揉めない形です。

続けるための検証手順

生成の仕組みそのもの(店舗ごとのPDFを一括で作る構成と、フォルダ名を対象月で統一する運用)は店舗ごとの月次レポート作成を自動化するに書きました。口コミレポートに固有の検証は次の4点です。

  1. 全ページの文言を機械で確認する。 「2026年8月」「9月の運用ポイント」「計測 2026/09/03」のように、対象月・翌月・計測日の3つの日付が全20ページに正しく入っているかをPDFのテキスト抽出で数えます。1ページでも月がずれていれば、月名の固定書きが残っている証拠です
  2. 目視は抜き取りで3枚。 全20枚を目で見る必要はなく、口コミが多い店・少ない店・新店の3枚を画像化して確認します。レイアウトの崩れは、この3パターンで出ます
  3. 前月版との突き合わせ。 前項の通り、累計のズレを一覧にします
  4. 納品物のハッシュ一致。 ローカルで生成したPDFとクラウドの共有フォルダに置いたPDFのハッシュ値を比べ、同期途中の欠けや古い版の残りを検出します

もう1つ、個人情報の扱いを決めておきます。レポートは店舗別の集計値だけで作り、口コミの投稿者名と本文は本部のツールからローカルへ取り出しません。集計値だけで作れる設計にしておけば、レポート生成の環境に個人情報が残らず、共有フォルダに置く前の確認項目も減ります。

店舗数別の始め方

1〜2店舗なら、Googleビジネスプロフィールの管理画面を毎月見れば足ります。 レポートを作るより、未返信をゼロにする方が先です。

3〜5店舗なら、1枚目の項目を表計算で手作りするところから始めます。 累計・当月新規・返信率・平均評価の4つを月末に転記し、前月比を出すだけで、店ごとの動きは見えます。順位はまだ載せなくて構いません。

10店舗を超えたら、集計と順位計測を仕組みにします。 手作業の転記は10店を超えると月初の半日を食い、順位を毎月同じ条件で測るのは手では続きません。2枚目の全店一覧も、この規模から意味を持ちます。

まとめ

多店舗の口コミ状況を毎月レポートにするときの要点です。

  • 1枚目は自店の推移、2枚目は全店の一覧。1枚に全部を載せない
  • 1枚目は「累計」と「当月新規」を別枠で並べ、返信率も両方で出す
  • 順位は行動につながるので載せるが、検索語・計測日・注意書き付きの参考値にし、上位3店の店名まで載せる
  • 順位はレポートを作る日に全店ぶん再計測する。前回値は使い回さない
  • 2枚目は累計順の一覧で自店の行を強調し、評価ではなく位置を示す
  • 累計は前月より減ることがある。現在の実数で出し、差分を本部が把握してから配る
  • 検証は「全ページの日付を機械で数える」「抜き取り3枚を目視」「前月版と突き合わせ」「ハッシュ一致」の4点
  • 個人情報は取り込まず、集計値だけで作れる設計にする

口コミの件数を増やす施策より先に、増えたかどうかを毎月同じ形で見せる紙を作る。それが各店の運用を続けさせる土台になります。

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