オープン直後で口コミ0件の美容室がGoogleマップで最初にやること|投稿より先に口コミ獲得、来店アンケートのQRから返信運用までの順番
オープン直後で口コミ0件の美容室がGoogleマップで最初にやること|投稿より先に口コミ獲得、来店アンケートのQRから返信運用までの順番
新店をオープンして、Googleビジネスプロフィールも作った。写真も入れた。それでも口コミ欄は空のまま——ここで多くの店が「とりあえず最新情報の投稿を毎日やろう」に流れます。
先に結論を書きます。
オープン直後の店が最初にやるのは投稿ではなく、口コミの入口を1本作ることです。順番は、①口コミ0件が正常かを切り分ける、②来店後に口コミを依頼する導線を作る、③1件目から返信する、④計測に組み込む。最新情報の投稿はこの4つが回り始めてからで間に合います。
この記事では、graciauto(名古屋のWEB制作会社)が美容サロンFCの本部向けに構築・運用している口コミ管理ツールの実測値をもとに、開業直後の店舗がGoogleマップで最初に手を付ける順番と、新店特有の設定事故の避け方をまとめます。
口コミ0件は異常ではない。まず切り分ける
新店の口コミ欄が空のとき、疑うべきことは2つあります。「まだ誰も書いていない」のか、「書かれているのに取得できていない」のか。この2つは画面上の見え方が同じです。
切り分け方は、Googleビジネスプロフィール側の口コミ総数を直接確認することです。管理ツールを使っているなら同期ログ、使っていないなら管理画面の口コミタブを見ます。
実例として、8月上旬に開業した新店を本部の口コミ管理ツールへ登録したときの実測値は次の通りでした。
| 確認項目 | 実測値 |
|---|---|
| 開業からの経過 | 約3週間 |
| Google側の口コミ総数 | 0件 |
| 同期の結果 | 成功・エラー0件 |
| 同時に同期した他19店の累計合計 | 550件超 |
取り込み0件・エラー0件。つまり同期は正常で、単にまだ口コミが1件も無い状態です。開業3週間で0件は珍しいことではありません。ここを切り分けずに「連携がおかしいのでは」と設定をいじり始めると、正常に動いているものを壊します。
逆に、他店は取れているのに1店だけ0件が続き、かつ実際のGoogleマップには口コミが表示されている、という状態なら、それは接続側の問題です。多くの場合はロケーションIDの設定漏れです。
口コミ0件でも順位は付く。埋めるべきは基本情報のほう
もうひとつ、開業直後に誤解されやすいのが順位です。「口コミが0件だから検索に出ない」と思われがちですが、実際は違います。
同じFCで、業態を表す語と、より広い語の2語について定点で順位を計測しています。開業から3週間ほど経った時点の新店と、既存19店を並べた結果が次の通りです。
| 検索語 | 新店(口コミ0件) | 既存19店の内訳 |
|---|---|---|
| 業態語(例:白髪染め専門店) | 5位 | 1位が13店/2位が5店/3位が1店 |
| 広い語(例:白髪染め) | 5位 | 1位が13店/2位が4店/3位が2店 |
口コミ0件でも圏外ではなく、5位には入っています。これはビジネスプロフィールの基本情報——正確な店舗名、住所、営業時間、カテゴリ、サービス内容、写真——が埋まっていれば、口コミが無くても地図検索の土俵には乗るということです。基本情報の埋め方そのものは美容室のMEO対策を自力でやる方法にまとめています。
そのうえで、5位と1位を分けているのが口コミの蓄積です。上位には先に開業した競合が3店並んでいました。だから新店の打ち手は「基本情報を埋め切る」→「口コミを積む」の順になり、最新情報の投稿はその後という優先順位になります。
投稿を後回しにしてよい理由は、投稿がプロフィールの鮮度を保つ施策だからです。口コミが0件の状態でユーザーが最後に見るのは、投稿欄ではなく空の口コミ欄です。
口コミは放置すると積み上がらない
「良い施術をしていればそのうち書いてもらえる」は、数字で見ると成立しません。
20店舗合計の月次実績は、7月の新規口コミが39件、8月が21件。1店あたり月1〜2件です。そして20店のうち、来店後に口コミを依頼する導線を持っている店と持っていない店では、この件数がそのまま差になります。導線がなければ、年間で10件に届くかどうかという水準です。
さらに、口コミは増えるだけでなく減ります。7月版と8月版のレポートを突き合わせたところ、20店中6店で累計件数が1〜2件動いており、うち4店は減少でした。Google側での口コミ削除や再同期によるものです。累計100件の店なら誤差ですが、累計3件の新店で1件消えると、表示上の平均評価が大きく動きます。新店ほど、1件を能動的に積む設計が要ります。
口コミ依頼の導線は「全員に同じ形」で作る
ここが新店で最も事故りやすい部分です。口コミを増やしたい気持ちが、そのままGoogleの禁止事項に触れる形で実装されがちだからです。
依頼の導線は、次の4条件を満たす形で設計してください。
1. 満足度で出し分けない。「ご満足いただけた方は口コミへ、気になる点があった方はLINEへ」という分岐は、レビューゲーティングとしてGoogleが明確に禁止しています。口コミの一括削除やプロフィール停止のリスクがあります。星評価や満足度による分岐を一切持たない構造にしておけば、後から誰が運用しても再発しません。
2. 特典と投稿を交換しない。クーポンを口コミリンクの直前に置くと、それだけで「投稿と特典の交換」に見える構造になります。特典を出すこと自体は可能ですが、口コミの完了画面ではなく、来店後メッセージ側に置き、投稿の有無にかかわらず誰でも受け取れる形にするのが安全です。場所を物理的に分けることで、運用者の善意に頼らず切り離せます。この線引きは口コミを増やすために特典を出してよいかで詳しく書きました。
3. 投稿しない出口を用意する。導線の終わりが「Googleへ投稿する」だけだと、投稿する気のない人が行き止まりになります。「Googleへ投稿する」「自社サイトへ投稿する」「今回は投稿しない」の3択にして、どの評価の人にも同じ3択を同じ順番で出します。自社サイト側の口コミは何度でも投稿できるので、Googleアカウントを持っていない人や2回目以降の来店客の受け皿になります。
4. 代理投稿は設計に入れない。Googleの口コミはGoogleアカウントへのログインが必須で、匿名投稿はできません。Business Profile Reviews APIにも取得・返信・返信削除しかなく、企業側が顧客の口コミを作成するAPIは存在しません。「お客様の声を店側で入力して投稿する」は技術的にも規約的にも不可能なので、最初から設計に含めないでください。
なお、美容室のアンケートで髪や頭皮の状態を聞くと、かぶれ・アレルギーといった要配慮個人情報が自由記入欄に入ってきます。回答が何に使われ、いつ削除されるかを入力画面の中に書いておくこと。別ページへのリンクではなく、その場で読める位置に置きます。
アンケートのQRを刷る前に必ず通す確認
新店では、オープンに合わせてQRコード入りのカードやPOPを印刷します。ここに新店固有の落とし穴があります。
アンケートページが「開いた」ことをもって正常と判断してはいけません。多くのツールでページ本体は静的なHTMLで配信されていて、その店舗のアンケートが登録されていなくても画面は200で返ってきます。中身が空なだけです。実際に、まだ有効化していない店舗のQRを読み込んで画面が表示され、後から「アンケートが見つかりません」になるケースがあります。
確認は次の3段階で行います。
- QRを実機で読み、URLが意図した店舗のものか目視する
- そのURLではなく、アンケートの中身を返すAPI(管理画面の店舗別URL一覧など、店舗データを実際に引く経路)を叩いて、その店舗の設問が返ることを確認する
- 5問なら5問、最後の完了画面まで実機で通す
そして、印刷に回すのは店舗を有効化した後にします。オープン前に刷って店内に置いてしまうと、有効化までの期間に読んだお客様が「見つかりません」の画面に当たります。オープン前に準備できるのは、ビジネスプロフィールのロケーション作成までです。実際、10月オープン予定の店舗については、プロフィールだけ先に作成し、ツール側の有効化・ロケーションIDの設定・サイト側の口コミ受け入れの3点は開業日に合わせて実行する段取りにしています。オープン前のWeb準備全体は美容室の新店オープン前にホームページで用意しておくものを参照してください。
1件目から返信する
口コミが0〜3件のうちは、返信を後回しにしても実害がないように見えます。しかしこれが習慣になると、件数が増えた時点で未返信が二桁溜まり、まとめて処理する日が来ます。20店規模になると、一度の棚卸しで要対応が18件、うち未返信13件といった状態になります。
新店のうちに「口コミが付いたらその日のうちに返す」を運用として固定しておくほうが、後の負荷は圧倒的に軽くなります。件数が少ない今なら、1件あたりに時間をかけても回ります。返す順番や定型の決め方はGoogle口コミの返信は何から返すかにまとめています。
計測に組み込むときの設定漏れ
最後に、新店を既存の運用に載せるときのチェック項目です。新店は「半分動いて半分動かない」状態になりやすく、しかも口コミが0件なので気づきません。
| 設定 | 漏れたときに起きること |
|---|---|
| ロケーションIDの設定 | 口コミの自動取り込み・返信・通知が動かない。アンケートと順位計測だけは動くので気づきにくい |
| 順位計測の検索語 | 既存店と同じ2語にしないと、全店比較の表に並べられない |
| 新着通知の宛先 | 1件目の口コミに気づけない。件数が少ない新店ほど取りこぼしが痛い |
| 店舗有効化のフラグ | アンケートURLが「見つかりません」になる |
| 月次資料の店舗数表記 | 19店舗→20店舗のように、全店合計や平均の分母が変わる |
このうち最も見つけにくいのがロケーションIDの設定漏れです。アンケートも順位計測も正常に動くため、管理画面は一見問題なく見えます。新店を登録した翌日に、口コミの取り込み件数ではなく「接続状態」そのものを1回確認してください。取り込み0件は正常な状態と見分けが付きませんが、接続の有無は白黒はっきり出ます。
順位を継続して見る場合の注意点はMEOの順位チェック方法にまとめています。検索地点で変わるので、参考値として同じ条件で測り続けることが前提です。
まとめ:開業1か月目のチェックリスト
- [ ] ビジネスプロフィールの基本情報を埋め切る(店舗名・住所・営業時間・カテゴリ・サービス・写真)
- [ ] 口コミ0件が「まだ誰も書いていない」なのか「取得できていない」なのかを切り分ける
- [ ] 来店後に口コミを依頼する導線を1本作る(満足度で出し分けない・特典と交換しない・投稿しない出口を置く)
- [ ] QRを印刷する前に、店舗の有効化とアンケートの中身の実機確認を済ませる
- [ ] 1件目の口コミが付いたその日に返信する
- [ ] 順位計測の検索語と新着通知の宛先を、既存店と同じ条件で登録する
- [ ] 最新情報の投稿は、上の6つが回り始めてから着手する
開業直後の口コミ0件は、放っておいても解決しませんが、焦って規約に触れる集め方をすると積み上げた分がまとめて消えます。先に入口を正しい形で1本作る。新店で効くのはこれだけです。
口コミ運用の導線設計や、多店舗の運用をまとめて回す仕組みについてはお問い合わせからご相談ください。