美容室の新店オープン前にホームページで用意しておくもの|オープン日や電話番号が後から変わっても崩れない作り方
美容室の新店オープン前にホームページで用意しておくもの|オープン日や電話番号が後から変わっても崩れない作り方
新店のオープン前にホームページを準備するとき、最初に決めるべきなのはデザインでも公開日でもありません。「あとから変わる情報を、どこに置くか」です。
理由ははっきりしています。オープン前の店舗は、そもそも情報が確定していないからです。電話番号は回線工事が終わるまで出ません。予約システムのURLは提供元が公開作業を終えるまで開きません。オープン日そのものも、内装や什器の都合で動きます。それなのにサイトの本文へ直接書き込んでしまうと、情報が届くたびにページを開いて直す作業が発生し、店舗数が増えるほど直し漏れが起きます。
先に結論を書きます。オープン前に用意しておくものは、次の3つです。
- あとから変わる値を1か所にまとめた設定(電話番号・予約URL・オープン日表記・ボタンの行き先)
- 未確定のまま公開できる表示ルール(決まっていない導線はリンクにしない、告知は日付を持たせる)
- 検索とマップからの入口(Googleビジネスプロフィール、店舗一覧への掲載、記事の初期在庫)
この記事は、名古屋を中心に25店舗規模で展開する白髪染め専門店フランチャイズで、同じ月に2店舗の新店サイトを立ち上げたときの実務をもとにしています。対象読者は、新店の立ち上げを控えた美容室・店舗の経営者と、そのサイトを預かるWEB担当者の方です。開業全体の逆算スケジュールではなく、サイトの中身をどう組んでおくと後の手戻りが消えるかに絞って書きます。
オープン前のサイトは「未確定を前提」に組む
情報が揃うのを待ってから作る、という進め方はうまくいきません。揃うのがオープン直前になるからです。正しい順番は逆で、未確定のまま公開できる形にしておき、確定した情報を後から流し込む設計にします。
そのために、まず「あとから変わる値」を洗い出します。新店の場合、最低でも次の項目は変動すると考えて構いません。
| 項目 | オープン前によくある状態 | 確定後にすること |
|---|---|---|
| 電話番号 | 未定・「近日公開」表記 | 表示用と発信用の2種類を差し替え |
| 予約システムのURL | 提供元が未公開・メンテナンス表示 | URLを設定してボタンを有効化 |
| オープン日の表記 | 「近日オープン」 | 「◯月◯日オープン」→ オープン後は削除 |
| 主ボタンの行き先 | スタッフ募集 | WEB予約 |
| 営業時間・定休日 | 仮の値 | 確定値へ |
| 駐車場の有無 | 契約交渉中 | 有無と案内文を切り替え |
| 設備・メニューの差分 | 他店と同じ想定 | 店舗ごとの実際の内容へ |
| 外観・内装写真 | 完成前で撮れない | 撮影後に差し替え |
ポイントは、電話番号を「表示用」と「発信用」の2種類で持つところです。画面に出す文字列はハイフン入りで読みやすく、タップして発信するリンクはハイフンなしの数字にする必要があります。1つの値で兼用しようとすると、どちらかが不自然になります。
これらを本文のあちこちに直接書かず、店舗ごとの設定として1か所にまとめておきます。そうすると、情報が届いたときの作業が「設定の値を書き換える」だけで終わります。
実例|2店舗を同月に立ち上げたときの持ち方
実際の現場では、上記の項目を店舗ごとの設定ファイル1本にまとめ、ページ側はその値を参照するだけの形にしました。オープン告知の状態から営業中の状態への切り替えで実際に触ったのは、次の値です。
| 触った値 | 変更内容 | 画面上の結果 |
|---|---|---|
| オープン告知タグ | 値を空にする | 「近日オープン」バッジが消える |
| オープン日 | バンド表示をやめ、見出し側へ | ページ上部に日付が大きく出る |
| 電話番号(表示用・発信用) | 確定番号を設定 | 全ページの電話表記とタップ発信が同時に切り替わる |
| 予約URL | 確定URLを設定 | 上部の主ボタンが「WEB予約」に変わる |
| 求人ページURL | 値を空にする | 「スタッフ募集」ボタンが消える |
| 駐車場の有無 | 店舗ごとに設定 | 駐車場ありの案内/近隣コインパーキング案内へ分岐 |
| 設備の種類 | 店舗ごとに設定 | 店舗が実際に導入している設備名で表示 |
このとき、ページのHTMLやデザインには一切触れていません。同じ仕組みを2店舗で共有しているので、2店舗目の作業は1店舗目とほぼ同じ手順で終わります。新店を出すたびに作業時間が短くなっていくのは、この形にしておいた効果です。
逆に、電話番号やオープン日をページ本文に直接書く作り方をすると、1店舗あたり数ページ、多店舗なら数十ページを開いて直すことになります。しかもその作業には「1ページだけ直し忘れる」というリスクが常に付きます。オープン直前は最も忙しい時期なので、ここは仕組みで潰しておくところです。
予約システムのURLがまだ開いていないとき
新店で頻繁に起きるのが、予約システム側の準備がサイトの公開に間に合わないという状況です。ここでの正しい対応は決まっています。
確定していない導線は、リンクにしない。 電話・LINE・サイト内の案内文で受けるところまでに留めます。オープン告知を見て来てくれた人が、最初のクリックでエラー画面に当たるのがいちばん避けたい事態だからです。告知は出すけれど、押した先が用意できていないボタンは置かない、という線引きです。
その判断の前に、そのURLが「まだ公開されていない」のか「システム全体が落ちている」のかを切り分けておきます。手順は単純です。
- 対象店舗の予約URLを開く(例:エラーやメンテナンス表示が返る)
- すでに営業している別店舗の同じ形式のURLを開く
- 他店が正常に開くなら、システム全体の障害ではなく「その店舗のページがまだ公開されていない」と判断できる
対照となる別店舗を1つ開くだけで、提供元へ問い合わせるべきか、単に公開待ちなのかが分かります。多店舗展開している場合、この確認は数十秒で終わります。
なお、オープン告知の記事や案内文には「電話・LINE・ホームページのWEB予約から受け付けます」という書き方で逃がしておくと、予約URLが後から有効になったときに文章を直す必要がありません。
告知の表記は「日付を持つ形」にする
オープン前の告知でよく使われる「近日オープン」という表記は、消し忘れが起きやすいという弱点があります。いつ消すべきかが表記自体から読み取れないからです。
推奨は、確定した時点で「◯月◯日オープン」という日付入りの表記に変えることです。日付が入っていれば、その日を過ぎた表記は誰が見ても古いと分かります。店舗一覧ページのバッジも同様で、「近日オープン」より「8月10日オープン」のほうが、来店を検討している人にとっての情報量も増えます。
もう1つ、多店舗サイトで必ず確認しておきたいのが共通部分と店舗固有部分の線引きです。
| 置き場所 | 入れてよいもの | 入れてはいけないもの |
|---|---|---|
| 全店共通のテンプレート | ヘッダー・フッター、共通のメニュー導線、全社的な採用リンク | 特定店舗のオープン告知、店舗ごとの日付や番号 |
| 店舗ごとの設定 | 電話番号、予約URL、オープン日、駐車場、設備差分 | 全店で同じ値になるもの(重複管理になる) |
共通テンプレート側にオープン告知の文言を書いてしまうと、次にオープンする別の店舗のページにも同じ文言が出ます。同時期に複数店舗を立ち上げる場合、これは実際に起こります。告知は店舗固有の値として持つ、というルールを最初に決めておいてください。
オープン告知が「見えているか」を実機で確かめる
オープン告知はページの最上部に置くことが多く、背景に店舗の写真を敷く構成が一般的です。ここで注意すべきなのは、背景写真の明るさと文字色の組み合わせです。
白い壁や明るい照明の写真の上に白抜き文字を置くと、文字が背景に溶けて読めなくなります。影を付けても、背景が明るければ輪郭が出ません。告知の文字色は、背景写真を実際に表示した状態を見てから決めるのが正しい進め方です。明るい写真なら濃い色の文字、暗い写真なら白抜き、というのが基本です。
さらに、スマートフォンとパソコンでは写真の見えている範囲が違います。パソコンでは背景の壁が写っていても、スマートフォンでは人物や商品が画面中央に来て、同じ文字色では読みにくくなることがあります。対応としては、スマートフォンでは文字の背後に色の帯を敷いて白抜きにするなど、端末ごとに別の見せ方を用意します。
確認は、画面幅を変えるだけでなく実機で表示して目視するところまでやってください。オープン告知は、公開後に最も多くの人が見る箇所です。
検索とマップからの入口を先に作る
サイトが整っていても、そこへの入口がなければ新店の存在は伝わりません。オープン前に用意しておく入口は3つです。
1. Googleビジネスプロフィール
地図検索から来る来店客は、新店にとって最初の流入源になります。オープン前に登録を済ませ、店名・住所・営業時間・電話番号・写真を入れておきます。
投稿を自動化したい場合は、事前に確認しておく点があります。Googleの各種APIを使う構成では、認証の同意画面が「テスト中」のままだと、取得した認証情報が7日ほどで失効します。継続的に動かすなら、公開状態に切り替えたうえで認証情報を取り直す必要があります。オープン直後に自動投稿が止まると気づきにくいので、ここは事前に済ませておく箇所です。
2. 店舗一覧ページへの掲載
多店舗展開している場合、新店を「新規オープン」欄と「エリア別」欄の両方に載せます。片方だけだと、エリアで探している人か新店を探している人のどちらかを取りこぼします。
このとき注意したいのが、一覧ページを自動生成する仕組みを使っている場合、生成のたびに個別の手直しが元に戻るという点です。特定の店舗だけ表示を変えている箇所があるなら、生成後にもう一度確認する手順まで含めて運用してください。
3. 記事の初期在庫
新店のサイトを開いたとき、ブログ欄が空のままだと更新されていない印象を与えます。オープン前後に用意しておきたいのは、オープン告知1本と、店舗が扱うサービスの基礎的な記事を数本です。
記事を複数用意するときは、テーマを分散させてキーワードが食い合わないようにします。同じ検索語を狙った記事を並べても、検索結果で自社同士が競合するだけです。地名・最寄り駅・サービス名の組み合わせで、それぞれ別の入口になるよう振り分けます。
公開前に必ず確認する項目
最後に、新店サイトの公開前後で確認しておく項目をまとめます。実際に手戻りが発生しやすいのはこの範囲です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 地名・駅名・路線 | 公式の情報で確認する。「◯◯線と△△線の◯◯駅」のような複数路線の記述は特に誤りやすい |
| 価格・メニュー | 推測で書かず、店舗の実データから転記する。税込・税別の表記も揃える |
| 表現の適法性 | 美容・健康に関わる断定的な表現は使わない。メニュー名として存在する語はそのまま使ってよい |
| 画像内の文字と本文 | バナー画像に数字が入っている場合、本文の数字と一致しているか突き合わせる |
| 記事のURL | 日本語のURLは変換で極端に長くなるため、英数字で短く設定する |
| 初期状態の残骸 | サイト構築ツールの初期記事やサンプルページが公開されたままになっていないか |
| アイキャッチ画像 | 未設定だと一覧が代替表示になる。記事を出すなら画像もセットで用意する |
| 短縮URLの扱い | LINEの友だち追加リンクなどは発行のたびに文字列が変わる。複数箇所で違っていても両方とも有効なので、無理に統一しない |
| 公開作業の方法 | 更新するファイルだけを差し替える。同期ツールで全体を上書きする方式は、サイト内の別システムを巻き込む可能性があるため使わない |
| バックアップ | 差し替え前の状態を必ず保存してから作業する |
特に最後の2つは、オープン直前の慌ただしい時間帯に事故が起きやすい箇所です。「更新したファイルだけを置き換える」「作業前に戻せる状態を作る」の2点を守るだけで、オープン当日にサイトが表示されないという事態はほぼ防げます。
まとめ
新店オープン前のホームページ準備で、実務上いちばん効くのは次の考え方です。
- 確定を待たない。未確定のまま公開できる形にして、あとから値を流し込む
- あとから変わる値は1か所にまとめる(電話番号は表示用と発信用の2種類で持つ)
- 決まっていない導線はリンクにしない。電話・LINE・案内文で受ける
- 告知は日付を持たせる。「近日オープン」は消し忘れる
- 共通テンプレートに店舗固有の告知を書かない。次の新店に波及する
- 入口(マップ・店舗一覧・記事)をオープン前に用意する
この形にしておくと、オープン日が動いても、電話番号が前日に届いても、作業は設定値の書き換えだけで済みます。2店舗目以降は同じ手順をなぞるだけになるため、出店のたびにWeb側の負担が軽くなっていきます。
よくある質問
Q. オープン日が延びた場合、サイトは作り直しになりますか
なりません。オープン日を設定値として持っていれば、日付の書き換えだけで全ページの表記が変わります。作り直しが必要になるのは、日付をページ本文に直接書いてしまった場合です。
Q. 電話番号が決まっていない状態で公開してよいのでしょうか
公開して問題ありません。「近日公開」と表示しておき、確定後に差し替える運用で構いません。ただし電話番号が未定の間は、LINEや問い合わせフォームなど、確実につながる連絡手段を必ず1つ置いてください。連絡先がゼロの状態で告知だけ出すのは避けます。
Q. 予約システムがオープンに間に合いそうにありません
予約ボタンを置かず、電話・LINE・問い合わせフォームで受ける形にします。告知文には「電話・LINE・ホームページのWEB予約から受け付けます」と幅を持たせた書き方をしておくと、予約システムが有効になった後も文章を直す必要がありません。
Q. 店舗が1店だけでも、この作り方をする意味はありますか
あります。1店舗でも、電話番号・営業時間・オープン日はサイト内の複数ページに登場します。設定を1か所にまとめておけば、変更時に直し漏れが起きません。将来2店舗目を出すときにも、同じ仕組みをそのまま複製できます。