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問い合わせが届いているか確かめる手順|サンクスページと計測はセットで組む


問い合わせが届いているか確かめる手順|サンクスページと計測はセットで組む

問い合わせが届いているか確かめる手順|サンクスページと計測はセットで組む

「フォームから問い合わせが来ない」という相談を受けたとき、最初に確認するのは集客ではありません。そもそも届いているかです。

先に結論を書きます。フォームの「送信しました」という表示は、次の3つのうち1つしか保証していません。

  1. 送信:ブラウザからサーバーへ送られた
  2. 到達:担当者のメールボックスに実際に入った
  3. 計測:問い合わせが1件あったと記録された

この3つは別の経路で動いています。だから、1つだけが静かに壊れます。しかも壊れてもエラーは出ません。送った人は「送れた」と思い、受け取る側は「今月は問い合わせが少ないな」と思う。誰も異常だと気づかないまま数か月が過ぎます。

止める方法は難しくありません。完了を専用URL(サンクスページ)にして、そこを到達点として計測まで一続きに組む。そのうえで月1回、自分のフォームからテスト送信する。これだけです。

弊社graciautoは名古屋でホームページ制作とLINE公式アカウント構築を手掛けており、コーポレートサイト・採用サイト・クリニック・ECと、問い合わせ経路の異なるサイトを複数運用しています。その中で「ここが壊れる」と分かった場所を、確認できる順に書きます。

正しい組み方:完了は必ず専用URLにする

フォーム送信後の完了表示には、大きく2つのやり方があります。同じページ内にメッセージを出すだけの形と、専用のURL(例:/contact-thanks/)へ遷移させる形です。

推奨は専用URLです。理由は接客ではなく、確認のしやすさにあります。

  • 到達がそのまま完了の証拠になる。「このURLが表示された回数=問い合わせ完了数」と定義でき、広告・アクセス解析・レポートのすべてで同じ数字を使える
  • 運用者に説明できる。「このページが開けば送信は通っています」と伝えられる形は、社内でも制作会社との間でも共有しやすい
  • 接客の置き場所ができる。返信目安、営業時間、急ぎのときの電話番号、LINEの案内を置ける。送信後の不安を減らす効果がある

同一ページ内でメッセージだけ出す形は、計測の設定が複雑になり、後から「本当に測れているのか」を検証しづらくなります。最初にここを分けておくと、あとの点検が全部楽になります。

実装で引っかかりやすい箇所

WordPressで組む場合、テーマによって手順が変わります。実際に商社のコーポレートサイトと採用サイトの2つに完了ページを実装したときは、次の点を踏まえて設計する必要がありました。

  • 固定ページ用のテンプレートがないテーマは、ページを作っただけでは404になるpage.phpを持たない独自テーマでは、完了ページ専用のPHPテンプレートを追加する
  • フォームプラグインのリダイレクト設定が効かない場合がある。Contact Form 7なら、送信完了イベント(wpcf7mailsent)をJavaScriptで受け取って遷移させる方式が確実。古い記法は非推奨になっているため、現行の仕様に合わせる
  • その遷移用のスクリプトは、フォームのあるページに書く。完了ページ側に書いても発火しない
  • CSSを条件付きで読み込むテーマでは、新しいテンプレートにスタイルが当たらない。完了ページだけ崩れる場合はここを疑う

いずれも、動かないときにエラーが出るとは限りません。作った直後に自分で1回通して確認することが前提の設計だと考えてください。

「送信は成功、でも届かない」が起きる仕組み

3層のうち、いちばん見つけにくいのが到達です。フォームは正常に動作し、サーバーはメールを送っている。それでも受信箱に入らないことがあります。

原因として多いのがメールのドメイン認証です。送信元ドメインにSPF・DKIM・DMARCといった認証設定が入っていないと、受信側のメールサーバーが「本当にそのドメインから送られたか確認できない」と判断し、迷惑メールに振り分けられやすくなります。

ギフト系のECサイトで「問い合わせフォームのテスト送信が受け取れない」という状況を調べたときは、DNSを実測した結果、次の状態でした。

項目 状態
プラットフォーム指定のDKIMレコード6件 すべて未設定
DMARC なし
SPF 自社メールサーバーのみ記載。プラットフォームを含んでいない

この状態だと、プラットフォームは代替の共有ドメインから送信します。メールは出ているが到達率が低いという、いちばん判断に迷う状態です。

こうした事態を未然に防ぐには、フォームの公開前に次の順で確認しておくと確実です。

  1. 迷惑メール・隔離フォルダを見る(届いていないのではなく、別の場所に入っているだけのことが多い)
  2. プラットフォームが指定する認証レコードをDNSに追加する。DKIM用のレコード追加は既存のSPF・MXに触らないため、稼働中のメール運用に影響を与えずに実施できる
  3. それでも不着なら、受信側のメールサーバーで送信元を許可リストに登録する

宛先の仕様も先に確かめる

もう1つ、公開前に確認しておきたいのが通知先の仕様です。ECプラットフォームに標準で付いている問い合わせフォームには、次のような制約が設けられていることがあります。

  • 通知先を1つしか設定できない(受注通知の宛先とは別の設定項目になっている場合もある)
  • 送信者本人に控えが届かない。自動返信が標準機能に含まれないことがある

複数の部署で受けたいなら、専用のメールアドレスを1つ作ってそこをフォームの宛先にし、メール側の転送で各担当へ配るのが扱いやすい形です。宛先が増減してもフォーム側を触らずに済みます。ただし全員が返信できる状態になるため、誰が一次対応するかのルールを先に決めておく必要があります。

自動返信を用意する場合は、次の要素を入れておくと問い合わせ後の電話やメールでの確認が減ります。クリニックのサイトで実際に採用している構成です。

  • 受け付けた内容の控え
  • 返信の目安(例:3営業日以内)
  • 返信元のメールアドレスを明記し、迷惑メールに入る可能性がある旨と受信設定の案内を添える
  • このフォームでは対応しない用件を書く(予約の変更やキャンセル、緊急の相談は電話へ、など)

計測は「送った側」でなく「届いた側」で確認する

3層目の計測には、他とは違う独特のこわさがあります。タグが入っている=計測できている、が成り立たないことです。

アクセス解析では、ページビューとイベント(フォーム送信などの行動)が別の経路で送られます。そのためページビューだけが正常に記録され、イベントは1件も送られていないという壊れ方があります。管理画面には毎日数字が入り続けるので、正常に見えます。

この状態は、たとえばサイトの構築フレームワークがスクリプトを関数で包む仕様のときに起こります。包まれた結果、イベント送信用の関数がページ全体から見える場所に出ず、フォーム側から呼び出そうとしても存在しない。しかもイベント送信のコードを「あれば実行する」という書き方(オプショナルチェーンなど)で組んでいると、エラーも出さずに黙って素通りします。

弊社では計測まわりを定期的に再点検していますが、自社サイトでもこの状態を検出したことがあります。ページビューは正常に記録されていて、問い合わせフォームの送信イベントだけが届いていない、という状態です。修正自体は1行で済む一方、発見の手段を持っていないと何年でも気づけません。だから確認方法をあらかじめ固定しておきます。

  1. HTMLにタグがあるかの確認では検出できない。実際のブラウザでイベント送信用の関数が存在するかを見る
  2. そのうえで実際にフォームを送信し、解析ツールのリアルタイムレポートに1件届くまでを目で見る
  3. 到達を確認してから、コンバージョン(キーイベント)として登録する。登録内容が反映されるまで最大24時間程度かかることがあるため、当日中に数字が出なくても異常とは限らない

数字が良すぎるときも疑う

計測の事故は「少なすぎる」だけではありません。多すぎるケースもあります。

革製品のECサイトで、解析ツール上の売上と実際の受注金額を突き合わせたところ、解析側が実受注の約2倍(1週間で+93%)になっていました。原因はサンクスページに購入イベントの計測タグが二重に設置されていたことです。

このケースが厄介なのは、広告側の評価まで一緒に歪む点です。広告の成果指標に解析ツールの数値を取り込んでいたため、費用対効果の表示も約2倍に膨らんでいました。表示上は好調な数字が出ているので、そのまま予算を増やす判断に進みかねません。

防ぐ方法は1つです。計測ツールの数字と、実際の受注件数・問い合わせ件数を定期的に突き合わせる。同じ完了地点を2つの方法で数えて一致するかを見る、というだけの作業ですが、多すぎる事故はこれ以外では見つかりません。

月1回の点検手順

ここまでの3層は、一度の送信でまとめて確認できます。サロンの椅子やシャンプー台の定期点検と同じで、月1回、数分で終わります。

  1. 自分のスマートフォンから、実際のフォームに1件テスト送信する(PCだけでなくスマホで行う。表示崩れも同時に見つかる)
  2. サンクスページに遷移したかを確認する
  3. 社内の受信箱に届いたかを確認する。迷惑メールフォルダも開く
  4. 自動返信が送信者に届いたかを確認する
  5. 解析ツールのリアルタイムレポートに、フォーム送信のイベントが1件表示されたかを確認する
  6. 月末に、解析ツールの問い合わせ件数と、実際に受け取った件数が一致するかを照合する

1〜5は連続して行えば5分ほどです。どこで止まったかで原因の切り分けもできます。遷移しないなら実装、届かないならメールの認証や宛先、記録されないなら計測、という具合に、確認した箇所がそのまま原因の在りかを示します。

どこまでやるか

すべてのサイトに同じ構成が必要なわけではありません。判断の目安は次のとおりです。

状況 必要な構成
問い合わせが月に数件・広告を出していない 専用の完了ページ+自動返信+月1のテスト送信
広告やSEOで流入を増やしている 上記+完了地点のイベント計測+コンバージョン登録
ECや予約など金額の絡む完了地点がある 上記+月次で実績値との突き合わせ

いずれの段階でも、最初に作るのは専用の完了ページです。ここを最初に用意しておくと、あとから計測を追加するときの作業が最小で済みます。

よくある質問

Q. サンクスページを作らずに、同じページ内で「送信完了」と出すのはだめですか

だめではありません。受付としては成立します。ただし完了地点にURLがないぶん、計測の設定が複雑になり、「本当に測れているか」を後から検証しづらくなります。広告を出す予定があるなら、最初から専用URLにしておくほうが手戻りがありません。

Q. テスト送信は届いたのに、お客様からの問い合わせだけ届いていない可能性はありますか

あります。自社ドメイン宛の送信は受信側で通りやすく、外部の無料メールサービス宛だけ迷惑メール判定される、という差が出ることがあります。テストは社内アドレスだけでなく、普段使っていない外部のメールアドレス宛にも1回送って確認すると精度が上がります。

Q. 解析ツールの問い合わせ件数と、実際に届いたメールの件数が合いません

まずどちらが多いかを見てください。解析ツールのほうが多ければタグの二重設置か、完了ページの再読み込み・ブックマークからの再訪問が数えられている可能性があります。メールのほうが多ければ、イベントが一部の環境でしか送られていない疑いがあります。ずれの方向で原因の範囲が変わります。

Q. 点検はどのくらいの頻度でやればいいですか

問い合わせが日常的に来ているサイトなら月1回で十分です。加えて、サイトの改修・サーバーやメールの設定変更・フォームプラグインの更新を行った直後は、頻度に関係なく1回通してください。壊れるのはたいていこのタイミングです。

まとめ

  • フォームの「送信しました」は、送信・到達・計測のうち送信しか保証しない。3つは別経路で動くため、1つだけ静かに壊れる
  • 完了は同一ページ内のメッセージではなく専用URLにする。到達がそのまま完了の証拠になり、計測も社内共有も簡単になる
  • 届かない原因で多いのはメールのドメイン認証。公開前に迷惑メールフォルダ・認証レコード・通知先の仕様を確認しておく
  • 計測はタグの有無ではなく、届いた側で確認する。ページビューだけ正常でイベントが0件、という壊れ方がある
  • 多すぎる事故もある。タグの二重設置で数字が2倍になると、広告の評価まで歪む。実績値との突き合わせでしか見つからない
  • 月1回のテスト送信を、スマホから1〜5の順で通す。どこで止まったかが、そのまま原因の在りかになる

問い合わせが少ないと感じたとき、広告や記事を増やす前に、まず今来ている人を取りこぼしていないかを確認してください。集客の改善は費用と時間がかかりますが、止まっている経路を直すのは、たいてい1日で終わります

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