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ホームページ制作とLINE構築は同じ会社に頼むべきか|分けても成立する条件


ホームページ制作とLINE構築は同じ会社に頼むべきか|分けても成立する条件

ホームページ制作とLINE構築は同じ会社に頼むべきか|分けても成立する条件

ホームページを作り直すタイミングで、LINE公式アカウントも整えたい。このとき必ず出るのが「両方まとめて1社に頼むべきか、それぞれ得意な会社に分けて頼むべきか」という問いです。

先に結論を書きます。判断の分かれ目は会社の数ではありません。「LINEのURL」「計測」「改修」という3つの境界を、どちらの会社が持つかを決められているかどうかです。この3点が決まっていれば、別々の会社に頼んでも問題なく回ります。決めずに分けると、どちらの担当でもない領域が生まれ、そこで導線と数字が静かに壊れます。

逆に言えば、1社にまとめること自体が正解なのではありません。まとめると「3つの境界を決めなくても自動的に片側に寄る」ので事故が起きにくい、というだけです。

弊社graciautoは名古屋でホームページ制作とLINE公式アカウント構築の両方を手掛けており、自社サイト235ページ・記事175本のLINE導線と、多店舗展開する美容サロンFCの店舗別LINE運用を実際に管理しています。その運用で「ここが境界だ」と分かった順に書きます。

境界1:LINEの友だち追加URLは、どちらが正本を持つか

まず決めるのは、サイトに貼るLINEの友だち追加URLをどちらの会社が管理するかです。これは最初に決めるべきで、後回しにすると必ず揉めます。

理由は、LINEの友だち追加URLが1つに定まらないからです。LINE公式アカウントの友だち追加リンク(lin.ee で始まる短縮URL)は、管理画面で発行するたびに別の文字列が生成されます。同じアカウントでもURLが複数存在し、どれも正しく同じアカウントに飛びます。

ここを知らないと、こうなります。サイトのヘッダーに貼られたURLと、LINE構築会社から送られてきた案内文のURLが違う。片方が「設定ミスでは」と指摘し、確認のやり取りが往復する。実際にはどちらも生きているので、調べても不具合は出てきません。

正しい持ち方は次の2つです。

  1. サイト側でURLを1箇所にまとめる。サイト全体で使うLINEのURLを設定ファイルの1変数として持ち、ヘッダー・記事下・フッター・LPのすべてがそこを参照する形にする
  2. その1箇所を書き換える権限を、どちらの会社が持つかを明記する

弊社の自社サイトはこの形で運用しています。設定値を1つ書き換えるだけで、ヘッダーのLINE相談ボタン235ページ分と、記事下CTA175本分の飛び先が同時に変わります。URLが変わったときの作業は1行の変更で済み、貼り忘れたページも発生しません。

分割発注で危ないのは、LINE会社が発行したURLを、HP会社が各ページに手作業で貼っていく形です。ページ数が増えるほど貼り漏れと貼り間違いが起こり、しかもどこが漏れているかを目視で探すことになります。

文言をページごとに変えるなら、判定の優先順位まで決める

記事の内容に応じて「LINEで相談する」の文言を変える運用は効果がありますが、ここにも設計上の注意点があります。

記事は複数のカテゴリに属します。弊社の記事175本を調べたところ、107本が「業務自動化」と「ホームページ」の両方に属していました。カテゴリを上から順に見て最初に一致したものを使う実装にすると、意図しない側の文言が122本に出る計算になります。

対策は単純で、どのカテゴリを優先するかの順位を先に決めておくことです。範囲の広いカテゴリ(この例では「ホームページ」)を最後に判定するようにすれば、狭くて具体的な文言が優先されます。

境界2:計測は「タグを入れた」ではなく「イベントが届いた」まで

2つ目の境界は計測です。ここが最も落ちやすい領域です。

LINEを導線に組み込むと、数字は2か所に分かれます。

見る場所 分かること 管理する側
サイトのアクセス解析(GA4など) LINEボタンが何回押されたか HP側
LINE公式アカウントの管理画面 友だちが何人増えたか、誰が来たか LINE側

このうち「LINEボタンが押された数」はサイト側でしか取れません。そして、ここが計測されないまま放置されている状態は珍しくありません。

注意すべきなのは、タグが入っていることと、計測できていることは別だという点です。サイトのHTMLに解析タグが記述されていても、クリックなどのイベントが1件も送信されない状態が実際に起こります。

具体的には、サイト構築フレームワークがページ内スクリプトを関数で包む仕様のとき、解析用の関数がグローバルに公開されず、ボタンクリックの送信処理が呼び出せない状態になることがあります。この場合、ページビューだけは正常に届くため、管理画面を開いても異常に見えません。アクセス数は普通に増えているのに、クリックイベントと問い合わせ完了イベントだけがゼロのままになります。

これを防ぐ手順は3つです。

  1. サイト公開後にテストで実際にLINEボタンを押し、解析ツールのリアルタイム画面にイベントが表示されることを目で確認する
  2. 表示されたイベントをキーイベント(コンバージョン)として登録する。登録して初めて、レポート上で成果として集計される
  3. フォーム送信のイベントも同じ手順で確認する。LINEを整えたときにフォームの計測が一緒に止まっていても気づきにくいため

分割発注でこの確認を落とさないためには、「計測の実装をするのはHP会社」「イベントが届いたことの確認と、キーイベント登録をするのは誰か」まで先に決めておきます。タグの設置と、届いていることの確認は、別の作業として発注書に書き分けてください。

問い合わせデータがどちら側に貯まるかも確認する

LINEの配信ツール側にも問い合わせフォームを作れます。便利ですが、その回答データは配信ツールの中に貯まり、サイトの管理画面やメールには残りません。

弊社は用途で使い分けています。サイトのフォームはメール受信にして、件名にどのページから送られたかの表示を付けて振り分ける。LINE側のフォームは、友だち登録済みの相手からの相談受付に使う。どちらに何が貯まるかを最初に決めておかないと、後から「あの問い合わせがどこにあるか分からない」という状態になります。

境界3:改修とデプロイで、あとから足したものは消える

3つ目が、サイトを更新したときに追加物が消えないかどうかです。ここは分割発注の最大の弱点になります。

サイトの多くは、手元で作ったファイル一式をサーバーへ上書きして公開します。このとき、公開後にサーバー側のファイルへ直接書き足したものは、次の上書きで消えます。

LINE会社から受け取った解析タグやチャットボタンのスクリプトを、HP会社が本番のHTMLに直接追記して対応した場合、次のサイト更新で消えます。しかも消えたことはページの見た目に出ません。数字が止まって初めて気づくため、発見までに数週間かかることがあります。

正しい対処は、追加物を全ページ共通のテンプレート(共通レイアウト)に組み込み、公開用ファイルを作る時点で必ず含まれる状態にすることです。手作業の追記をゼロにするのが目的です。

もう1点、ページが1枚ではないことにも注意が必要です。トップページだけを直して確認を終えると、他のページには入っていません。20ページ規模のサイトなら20枚のHTMLがそれぞれ存在します。確認は全ページに対して機械的に行う(各URLを取得してタグの有無を数える)のが確実で、目視で数枚見て終わりにすると漏れます。

まとめる判断と、分ける判断の基準

ここまでの3つの境界を踏まえると、判断はこう整理できます。

状況 向いている形
社内にWeb担当がいない 1社にまとめる。境界の管理そのものを外に出せる
サイトを新規制作・全面リニューアルする 1社にまとめる。LINE導線を設計段階から組み込める
既存サイトはそのままでLINEだけ強化したい 分けてよい。サイト側の作業はURLとタグの設置だけ
LINEで配信シナリオや外部連携まで作り込む 分けてよい。LINE専業の設計力が効く領域
サイトの改修が頻繁に発生する まとめるか、境界3を厳密に決める。消える事故が起きやすい

分けても成立する条件は、次の3つが満たされていることです。

  1. LINEのURLの正本をサイト側の1箇所に置き、書き換える担当が決まっている
  2. 計測タグの設置担当と、イベント到達の確認担当が決まっている
  3. サイトを更新するときに、LINE関連の追加物が消えない実装になっている

発注前に決める6項目

分割発注をするなら、見積もりを取る段階で次の6項目を両社に確認してください。これを書面で揃えておくと、後の押し付け合いがなくなります。

決める項目 具体的に確認すること
URLの正本 サイトのLINE URLを管理するのはどちらか。変更時の連絡先
タグの設置場所 共通レイアウトに入れるか、ページごとか
イベント名 クリックや送信を何という名前で記録するか(両社で表記を統一)
到達確認の担当 実際にイベントが届いたことを誰が確認して報告するか
更新時の連絡 サイト更新の前後で、LINE側に確認を依頼する手順
テスト手順 公開後に「押して届く」を確認する手順書があるか

そもそもLINEを作らない判断もある

最後に、まとめる・分けるの前段の話です。LINE公式アカウントを持っていない店舗が、サイト制作に合わせて無理に開設する必要はありません。

運用する人がいないアカウントは、友だちが増えても返信が滞り、かえって印象を悪くします。弊社が制作した美容室のサイトでは、店舗がLINE公式アカウントを保有していなかったため、サイト内のLINEボタンとアイコンをすべて置かず、予約導線を「電話」と「ネット予約」の2本に統一しました。導線は少ないほうが迷いません。

判断基準はシンプルで、返信を担当する人と、返信できる時間帯が決まっているかです。これが決まっていない段階では、LINE構築の発注自体を後ろに回すほうが結果は良くなります。

多店舗の場合は、URLを店舗マスタで持つ

店舗が複数ある場合、LINE公式アカウントは店舗ごとに別になります。すると、サイト側で管理するURLも店舗の数だけ増えます。

このときURLを各店舗のページに直接書き込むと、店舗が増えるたびに作業が増え、変更のたびに探し回ることになります。店舗情報を1つのマスタ(店舗名・電話番号・予約URL・LINE URLを並べたデータ)として持ち、ページはそこを参照する形にしてください。

弊社が管理している多店舗のサロンサイトはこの形で、店舗の追加やLINEアカウントの差し替えが、マスタ1行の編集で完了します。新規出店のたびにページを手作業で組む運用は、店舗数が二桁に近づくあたりから維持が難しくなります。

まとめ

ホームページ制作とLINE構築を同じ会社に頼むべきかは、「3つの境界を自分たちで管理できるか」で決まります。

  • 境界1:URL — LINEの友だち追加URLは複数存在しうる。サイト側の1箇所に集約し、管理者を決める
  • 境界2:計測 — タグの設置と、イベントが届いた確認は別作業。両方の担当を決める
  • 境界3:改修 — 公開後に手作業で足したものは次の更新で消える。共通レイアウトに組み込む

社内に管理できる人がいなければ1社にまとめるほうが安全です。管理できる、あるいは上記3点を発注書に落とし込めるなら、それぞれ得意な会社に分けて頼んで問題ありません。

「どちらの会社に頼むか」より先に、「この3つを誰が持つか」を決めてください。見積もりを比べるのはその後で構いません。

よくある質問

Q. すでにサイトを持っている場合、LINE構築だけ別の会社に頼めますか

頼めます。既存サイトに対する作業は、LINEの友だち追加URLをページに設置することと、クリックの計測を入れることの2つです。ただし、サイト側の作業を誰がやるか(HP会社に依頼するのか、自社の管理画面から行うのか)を先に決めておいてください。ここが決まっていないと、LINE側の構築が終わっても導線がサイトに載らないまま止まります。

Q. LINEのURLが2種類見つかりました。どちらが正しいですか

どちらも正しい可能性が高いです。LINEの友だち追加リンクは管理画面で発行するたびに別の短縮URLが生成される仕様で、同じアカウントに対して複数のURLが存在します。飛び先が同じ公式アカウントであれば、どちらを使っても構いません。不一致を見つけても、それだけで設定ミスと判断しないでください。ただし今後の管理のために、サイトで使うURLは1つに決めて1箇所で持つことをおすすめします。

Q. LINEボタンのクリック数はどこで確認できますか

サイト側のアクセス解析ツール(GA4など)で確認します。LINE公式アカウントの管理画面では「友だちが増えた数」は分かりますが、「サイトのどこでボタンが押されたか」は分かりません。確認する際は、レポート画面を見る前に自分でボタンを押して、リアルタイム画面にイベントが表示されるかを試してください。タグが入っていてもイベントだけが送信されていない状態があり、この方法でしか見つけられません。

Q. まとめて頼むと割高になりませんか

作業量そのものは大きく変わりません。分割発注で増えるのは、両社間の確認と調整の時間です。この時間を自社の担当者が負担できるなら分割でコストは下がり、負担できないなら結局どちらかの会社に調整費として乗ります。金額だけでなく、社内に調整できる人がいるかどうかで比べてください。

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