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LINEシナリオの作り方を実物で公開|本番稼働中の予約リマインドシナリオを1通目から分解する


LINEシナリオの作り方を実物で公開|本番稼働中の予約リマインドシナリオを1通目から分解する

LINEシナリオの作り方を実物で公開|本番稼働中の予約リマインドシナリオを1通目から分解する

LINEのシナリオ配信(ステップ配信)の作り方を調べると、「ゴールを決める」「ペルソナを設定する」といった一般論が並びます。読んでも手が動かない、というのが正直なところではないでしょうか。

この記事では、graciautoが実際に組み、いま本番で稼働しているシナリオを1通目から分解します。素材は、教育系のクライアントで運用しているオンラインセミナーの予約リマインドシナリオです。

まず結論から。シナリオ作成の正しい順番は次の6ステップです。

1. 最後の1通(ゴール)から決める

2. ゴールから逆算して通数と間隔を決める

3. 開始条件を決める(誰が・何をしたら始まるか)

4. 停止条件を決める(どうなったら止めるか)

5. 絞り込み条件で二重ガードをかける

6. テスト用の友だちで通しで動かしてから本番に載せる

世の中の解説の多くは1〜3で終わります。しかし実運用で事故が起きるのは4と5です。ここを設計しないと、「キャンセルした人に案内が届き続ける」という誤配信が起こりえます。順に見ていきます。

実物シナリオの全体像:予約からリマインドまで

このシナリオの役割は、オンラインセミナーに申し込んだ人を視聴開始に間に合わせることです。参加者はLINE上で視聴時間帯(12時・18時・21時)を選び、選んだ時間帯に合わせてリマインドが届き、開始直前に視聴URLが送られます。

全体の流れは次の通りです。

1. 案内メッセージのボタンで、参加者が時間帯を選ぶ

2. 選んだ時間帯のタグが付く(例:「1日目・12時選択」)

3. そのタグを開始条件にして、時間帯別のシナリオが動き出す

4. シナリオが2通のメッセージを順番に配信する

配信するのは、次の2通だけです。

  • **1通目(開始1時間前)**:「まもなく始まります」のリマインド。あわせて、都合が悪くなった人のための「キャンセルはこちら」ボタンを置く
  • **2通目(開始5分前)**:視聴URLを送る

通数はゴールから逆算する。2通で足りるなら2通でいい

シナリオというと、7通・10通の長編を想像する方が多いはずです。しかしこのシナリオは2通です。「予約した人を視聴に間に合わせる」という役割に対して、必要な通数を逆算すると2通で足りるからです。

教育や販売を目的にしたシナリオなら5〜7通になることもあります。ただしその場合も、「何通書くか」から入ると失敗します。最後の1通(オファーや予約案内)を先に固定し、その1通が響くために必要な前提を1通ずつ手前に埋めていく。これが逆算の意味です。

通数が先に決まっているシナリオは、途中に「埋め草の1通」が混ざります。読者はそれを敏感に察知して、ブロックという形で返してきます。

開始条件は「タグ」で組むと、後から止められる

このシナリオは、ツールに付属する予約カレンダー機能を使っていません。フォームのボタン→タグ付与→タグを開始条件にシナリオ起動、という完全タグ駆動で組んでいます。

理由は、後から「キャンセル」を対称に作れるからです。タグなら「付与で始まり、解除で状態が戻る」という設計図が書けます。加えて、開始条件をタグにしておくと、QRコードからの流入・回答フォーム・手動付与のどこからでも同じシナリオに乗せられるという運用上の利点もあります。

停止条件:タグを外しても、走り出したシナリオは止まらない

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。

多くの配信ツールでは、シナリオの「開始条件」と「走行中の配信」は別物として扱われます。つまり、**開始条件のタグを外しても、すでに走り出したシナリオは止まりません。**

これを知らずに「キャンセル=タグ解除」とだけ設計すると、キャンセルした人にも視聴URLや案内が予定通り届き続ける、という事態が起こりえます。受け取る側から見れば「キャンセルしたのに送ってくる」わけで、体験としては最悪です。

そこで実物のシナリオでは、キャンセルボタンに4つの処理をまとめて設定しています。

1. 時間帯タグの解除(状態を戻す)

2. 走行中シナリオの個別停止(配信そのものを止める)

3. キャンセル済みタグの付与(状態を記録する)

4. 翌日に再予約案内のシナリオを開始(次の行動へつなぐ)

再予約すれば、また最初のループに戻ります。予約⇄キャンセルが何度でも対称に回る設計です。シナリオを作るときは、開始の設計と同じ重さで「止め方」を設計してください。

絞り込み条件で二重ガードをかける

停止処理を入れても、設定漏れや操作ミスの可能性はゼロになりません。そこで2通目(視聴URL)には、「該当の時間帯タグを持っている人にだけ配信する」という絞り込み条件を付けています。

配信の直前にタグの有無を見るので、キャンセルでタグが外れていれば、仮にシナリオが止まっていなくても配信対象から外れます。実際、キャンセル操作の後に管理画面で配信予定の対象者数が「0人」になることを確認できました。本番の設定を触らずに検証できるチェックポイントです。

  • 停止処理=能動的に止める
  • 絞り込み=受動的に弾く

どちらか片方では誤配信のリスクが残ります。重要な1通ほど、二重にガードをかけます。

条件分岐は「評価される瞬間の値」で考える

シナリオやアクションに条件分岐を入れるときの、もう1つの落とし穴です。条件は、そのアクションが実行される瞬間の値で評価されます。

例えば、友だち50万人規模のサロングループで、回数券の残回数をLINE上で管理する仕組みを組んだときの話です。「残回数を1減らす→残回数に応じてメッセージを出し分ける」という順番で処理を並べると、後ろの条件は減算後の値を見ます。すると「最後の1回を使った直後(残0)」と「使い切った後にもう一度操作した場合(残0)」が区別できず、設計によっては残回数がマイナスまで減り続ける事態が起こりえます。

予防策はシンプルです。減算の前に「残回数が1以上なら一時的な目印タグを付ける」というガードを置き、後続のメッセージ出し分けはタグの有無で分岐させる。減算前の値で成否を判定しておけば、空打ちされても数字は動きません。

シナリオでも考え方は同じです。どの条件を・どの位置で・何の値に対して評価させるのかを、管理画面を開く前に紙に書き出しておく。画面をいじりながら考えると、この順番の問題には気づけません。

テストは3段階。本番の友だちには触れない

組んだシナリオをいきなり本番に載せるのは避けてください。実物の構築では、次の順番でテストしています。

1. **誰にも紐づかない状態で組む**:対象者0人のまま、タグ・シナリオ・条件の設定を完成させる

2. **自分の端末で通しテスト**:自分をテスト友だちにして、予約→リマインド→キャンセル→再予約まで一連の流れを実際に動かす

3. **通ってから本番に載せる**:ここで初めて実際の友だちに公開する

数十万人の友だちがいるアカウントで作業する場合、テスト段階では一斉配信につながる操作には一切触れないのが原則です。1通の誤配信が数十万通になる環境では、「動くはず」で公開してはいけません。

FAQ

Q. シナリオは何通作るのが正解ですか?

決まった正解はありません。最後の1通(ゴール)を先に固定し、そこへ至るのに必要な前提を逆算した数が、あなたのシナリオの通数です。本文の実物は2通、教育・販売型なら5〜7通になることが多いですが、通数より先に停止条件を設計してください。

Q. LINE公式アカウントの標準機能だけでシナリオは作れますか?

標準のステップ配信機能で、友だち追加を起点にした基本的なシナリオは作れます。ただし、本文で紹介した「走行中シナリオの個別停止」や「友だちごとの情報の値による細かい出し分け」は、Lステップやエルメといった拡張ツールが必要になる場面が多いです。やりたい分岐を先に書き出してから、ツールを選ぶ順番をおすすめします。

Q. 作ったシナリオはどうテストすればいいですか?

自分の端末をテスト友だちにして、開始から停止(キャンセル)までを通しで動かします。正常系だけでなく、「キャンセルした後に配信が来ないこと」「もう一度予約したら再開すること」という異常系・復帰系まで確認できて、初めてテスト完了です。

まとめ:シナリオは「止め方」まで設計して完成

最後に、シナリオ作成の順番をもう一度整理します。

1. 最後の1通(ゴール)から決める

2. 通数と間隔はゴールから逆算する

3. 開始条件はタグで組む

4. 停止条件(キャンセル・除外)を開始と同じ重さで設計する

5. 重要な1通には絞り込みで二重ガードをかける

6. テスト友だちで通しテストしてから本番に載せる

シナリオは「何を送るか」だけでは完成しません。「誰に送らないか」「どう止めるか」まで設計して、はじめて安心して回せる仕組みになります。

graciautoでは、LINE公式アカウントのシナリオ設計・構築を、本記事のような本番運用の設計基準で行っています。配信の仕組みづくりで判断に迷う点があれば、お気軽にご相談ください。

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