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LINE回数券を間違えて購入させたときの取り消し方|未使用は取消QR、使用済みは本部で無効化。残りを消化して潰してはいけない理由


LINE回数券を間違えて購入させたときの取り消し方|未使用は取消QR、使用済みは本部で無効化。残りを消化して潰してはいけない理由

LINE回数券を間違えて購入させたときの取り消し方|未使用は取消QR、使用済みは本部で無効化。残りを消化して潰してはいけない理由

LINE公式アカウントで回数券をデジタル化すると、店頭でQRを読むだけで購入と消化が記録されます。運用が始まると、いずれ必ず来る問い合わせがあります。

「お客さまに違う券の購入QRを読ませてしまった。取り消せますか」

先に結論を書きます。

  • 最初に、台帳(友だち情報とタイムライン)と会計記録を突き合わせて、何が起きたかを確定します。 台帳に残るのは「どのQRを読んだか」だけで、「お客さまが何を買うつもりで、いくら払ったか」は残りません。
  • まだ1回も使っていない券なら、店舗が「取消QR」で戻します。 確認ボタン付きの共通QRを1枚用意しておきます。
  • 1回でも使った券は、本部が「手動無効化」で戻します。 そのあと、正しい券の購入QRを読んでもらいます。すでに使った1回分の差額の扱いは、本部か店舗のどちらが決めるかを事前に決めておきます。
  • 「残りの回数を消化して使い切らせる」やり方は取りません。 実際には使っていない利用記録が残って集計が狂い、お客さまにも利用のお知らせが届きます。
  • 再発防止は、券を金額だけで呼ばないことです。 店頭QRには券種名・券の色・売値・回数を書き、問い合わせも券種名で受けます。

以下は、当社がLステップ(LINE公式アカウントの拡張ツール)で構築し、数百店舗規模の美容室グループで運用しているデジタル回数券での実例です。考え方は、友だち情報とタグで回数券を管理する仕組みなら共通です。

実例:「1,650円の券」が2種類あった

ある店舗から本部経由で、次の問い合わせが届きました。

> 1,650円の回数券を買ったお客さまに、550円の券の購入QRを読ませてしまった。次の来店で、その券を1回使った。本部で取り消せるか。残りを店で消化してから、正しい購入QRを読ませればよいか。

この店舗の回数券は3種類です(ここではA券・B券・C券と呼びます)。チラシの表記は次のとおりでした。

券 チラシの表記
A券(3回) 特別価格550円(通常1,650円分)
B券(3回) 特別価格1,650円
C券(5回) 特別価格2,750円

お客さまの友だち情報を読み取りだけで確認すると、現在の券種はA券、残回数2、ほかの券種の記録なし。台帳だけを見ると、何の異常もない状態です。A券の購入QRを読み、A券として1回使った、という記録がきれいに残っているだけだからです。

決め手は、店舗の説明とチラシでした。「1,650円の回数券」とはB券の売値のことで、店舗の説明では、お客さまが払ったのもB券の代金でした。ところが店頭で読んだのはA券の購入QR。次の来店ではA券として1回使ったため、1回目の割引が本来より少なくなっていました(この例では550円)。

ここで注意したいのは、「1,650円」という金額が、A券の通常価格とB券の売値の両方に出てくることです。「1,650円の券」と言われたとき、「A券(通常1,650円分)のことだ」と受け取る人もいれば、「B券(売値1,650円)のことだ」と受け取る人もいます。問い合わせを受ける側もこの読み違いをしやすく、金額だけで話を進めると「誤りではなかった」と判断してしまう危険があります。

まず「何が起きたか」を確定する

問い合わせを受けたら、データを触る前に次の3つを確認します。いずれも読み取りだけで済みます。

1. お客さまを特定する

名前で友だち一覧を検索し、友だち詳細を開きます。数百店舗規模になると、QRごとの読み取り一覧を順にめくって探すのは時間がかかります(購入QR1種類だけで100ページを超えていました)。名前検索から友だち詳細へ直接入るのが最短です。

2. 台帳で「今の状態」と「どのQRを読んだか」を見る

項目 何がわかるか
現在の券種・残回数 今どの券を持ち、あと何回使えるか
購入日・有効期限 いつ買ったか、いつまで使えるか
累計購入数・累計消化数・最終消化日 これまで何回買い、何回使ったか
タイムライン どのQRを何時何分に読んだか(秒単位)

3. 会計記録と突き合わせる

台帳と申告が食い違うのは、本物の誤販売なら当然です。台帳には「読んだQR」しか残らないからです。レジの売上やレシートで「いくら受け取ったか」を確認し、台帳の券種の売値と合っているかを見ます。金額で言われたら、それが売値なのか通常価格なのかを聞き返し、券種名か券の色で特定します。

「使えない」「反応しない」は、取り違えのことが多い

購入ではなく「使えない」という問い合わせは、タイムラインを見ると原因がわかることが多くあります。

タイムラインに残っていたこと 実際に起きていたこと 対応
購入は成功、直後に別の券種の消化QRを読んでいた 「使えません」の正体はQRの取り違え 正しい消化QRで読み直せば使える
購入確認ボタンの先にある内部処理用のQRを直接読んでいた 反応しないのは条件を満たしていないから 店頭用の正しい購入QRで読み直す

スタッフが動作確認で5回券を付与した直後に「残回数0または期限切れ」と出た、という緊急の問い合わせも、タイムラインを見ると、付与の15秒後に別の券種の消化QRを読んでいただけでした。この場合はデータを直す必要はありません。消化QRを券種ごとに分けていると起きやすい事故で、設計の見直し方はデジタル回数券の消化QRは券種ごとに分けないにまとめています。

本当に誤りだったときの戻し方:未使用か使用済みかで分ける

本物の誤販売だと確定したら、その券が1回でも使われたかどうかで手順を分けます。

状態 戻し方 誰がやるか
未使用(残回数がその券の満数のまま) 取消QRを読む 店舗
1回以上使用済み 手動無効化 → 正しい購入QR 本部
途中解約・返金 手動無効化+返金の決済処理 本部

未使用なら「取消QR」で店舗が戻す

取消QRは、次の条件をどちらも満たすときだけ動くように作ります。

  • その券種が有効な状態になっている
  • 残回数がその券種の満数(3回券なら3、5回券なら5)

1回でも使っていれば残回数は満数より少ないので、取消QRは「この券は取り消せません」と案内するだけで何も変えません。使用済みの券を店舗の判断で消せないことが、取消QRを店頭に置くための前提です。

あわせて、次の作りにしておくと誤操作が起きにくくなります。

  • 読んだ瞬間には変えない。 読み取り後に「取り消す/キャンセル」の確認メッセージを出し、1回だけタップできるようにする
  • 取消QRは全券種共通の1枚にする。 1人が同時に持てる券が1種類なら、どの券を取り消すかは「現在の券種」で決まるため、券種ごとに分ける必要がない
  • 取り消したら、表示を「未購入」に戻す。 現在の券種を空欄、残回数を0、有効タグを解除、リッチメニュー(トーク画面下のメニュー)を通常のものへ戻す

実際の使われ方は、券の付与約2.1万回に対し、取消の実行は83回でした(社内テストを含む累計・全店での運用開始から約1か月の時点)。数としては少なくても、数百店舗あれば頻繁にどこかで起きます。毎回本部に連絡が来る運用だと本部の手が止まるため、未使用の取消は店舗で完結させます。

使用済みなら本部が「手動無効化」してから買い直してもらう

使用済みの券は、本部が友だち情報を手で直して無効にします。当社が本部向けに渡している手順は次のとおりです。

  1. 本部が返金の可否と金額(誤販売なら差額の扱い)を決める
  2. 対象のお客さまを特定し、処理前の状態をメモして本部の台帳に記録する
  3. 現在の券種を空欄にし、対象券種の残回数を0にする
  4. 対象券種の有効タグ、確認待ちのタグ、一時タグを外す
  5. リッチメニューを通常のメニューへ戻す
  6. 変更した項目を最終チェックする

無効化が済んだら、次の来店時に正しい券の購入QRを読んでもらいます。有効期限はこの読み取り日から数え直しになります。有効な券を持っている間は別の券の購入QRを受け付けない設計にしているため、無効化より先に購入QRを読んでも拒否されます。 順番を守るよう店舗に伝えておきます。

すでに使った1回分の差額は、たとえば次のどちらかを選んでもらいます。

選択肢 中身
そのまま3回分渡す 正しい券を満数で渡す。使った1回分の差額はお客さまの得になる
残回数を合わせる 正しい券の残回数を手で1減らし、差額を店頭で調整する

なお、Lステップ上で券を無効にしても、お金は戻りません。返金する場合は、カードや現金の返金処理と会計処理を別に行います。

戻しても「消さないもの」を決めておく

取消でも手動無効化でも、変えるのは「今の状態」だけで、履歴は残します。

変える(今の状態) 変えない(履歴)
現在の券種・残回数 累計購入数・累計消化数
有効タグ・確認待ちタグ 購入日・有効期限・最終消化日
リッチメニュー タイムラインの記録

累計購入数を「取り消したから1減らす」と直したくなりますが、やりません。友だち情報を定期的にCSVで書き出し、前回との差分から購入・消化の履歴を作っている場合、累計が減ると差分の計算が合わなくなるからです。代わりに「累計取消数」「最終取消日」「最終取消券種」を別に記録し、取消も1件の出来事として残します。

「残りを消化して使い切らせる」をやってはいけない理由

使用済みの誤販売で、店舗から一番よく出る案が「残りの回数を店で消化して券を空にし、正しい券を買い直してもらう」です。管理画面を触らずに済むので手軽に見えますが、次の問題が出ます。

  • 実際には使っていない利用記録が残る。 1回使用済みの3回券なら2件、架空の利用実績が履歴に入り、店舗別の消化数や割引額の集計がずれます。
  • お客さまに利用のお知らせが届く。 消化QRを読むと、利用の完了と残回数を知らせるメッセージが自動で届きます。使っていないのに通知が来れば、お客さまは不安になります。
  • 後から見た人が、誤販売の処理だったと気づけない。 履歴上はただの利用に見えるため、数か月後に集計を見直しても理由がたどれません。

戻すときは、手間がかかっても手動無効化で「何を、なぜ変えたか」が残る形にします。

起こりうるリスクと、先に決めておくこと

起こりうること 先に決めておくこと
台帳だけを見て「誤りではない」と判断し、本物の誤販売を見逃す 台帳と会計記録を必ず突き合わせる
金額の言い方の違いで、どの券の話か取り違える 店頭QRに券種名・券の色・売値・回数を書く。問い合わせは券種名で受ける
店舗が使用済みの券を自分で消してしまう 店舗用の取消QRは「満数のときだけ」動く条件にする
確認ボタンの先の内部用QRを、店頭用と取り違える 内部用の経路名に「内部処理・QR使用禁止」と入れ、印刷物に出回らないようにする
差額や返金の扱いが店舗ごとにばらつく 誰が決めるか(本部か店舗か)を事前に決め、無効化の前に確認する
誰がいつ何を直したかわからなくなる 処理前の状態と理由を本部の台帳に記録してから直す

仕組みの全体像はLINEで回数券をデジタル化する方法、残回数ごとの表示の切り替えはリッチメニューを残回数で自動切替する実装で解説しています。

まとめ

  • 違う券を買わせたという問い合わせは、台帳と会計記録を突き合わせて事実を確定してから動く。台帳には「何を買うつもりだったか」は残らない
  • 未使用は店舗の取消QR、使用済みは本部の手動無効化で戻し、そのあと正しい購入QRを読んでもらう。使った1回分の差額の扱いは事前に決めておく
  • 戻すときに変えるのは「今の状態」だけ。累計や日付などの履歴は消さず、取消は取消として別に記録する
  • 残りを消化して使い切らせる方法は取らない。 架空の利用実績と、お客さまへの不要な通知が残る
  • 再発防止は、券を金額だけで呼ばないこと。店頭QRに券種名・券の色・売値・回数を書く

デジタル回数券は、作って終わりではなく、店頭から来る問い合わせにどう答えるかまで決めて初めて回ります。取消や無効化の手順づくり、店頭QRの表記の見直しもご相談いただけます。

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