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ホームページにブログは必要か|更新が続かない前提での置き方と、置かない判断


ホームページにブログは必要か|更新が続かない前提での置き方と、置かない判断

ホームページにブログは必要か|更新が続かない前提での置き方と、置かない判断

ホームページの制作を進めていると、ほぼ必ず「ブログは付けますか」という話になります。付ければSEOに有利だと聞くけれど、更新が続く自信はない。そんな状態で判断を迫られている方に向けて、先に結論を書きます。

ブログを載せるかどうかは、「更新できるかどうか」ではなく、次の3点が揃うかどうかで決めてください。

  1. 自社の商売の周辺に、実際に検索されている質問があるか
  2. その質問に答える題材が、日々の業務の中に溜まっているか
  3. 公開したあと、読まれているかどうかを数字で見る手段があるか

3つ揃うなら載せる価値があります。1つでも欠けるなら、載せないという判断が正解になることも普通にあります。ブログは「あるのが当たり前」の装備ではなく、運用コストのかかる設備です。

以下、弊社が自社サイトのブログを100本規模まで運用し、GA4(Googleアナリティクス)とGoogleサーチコンソールで計測してきた実測値を交えながら、この3点の見極め方と、載せると決めた場合に記事を書き始める前に決めておくことを整理します。

「とりあえずブログ」がほぼ機能しない理由

まず、ブログを付けただけでは何も起きません。弊社の自社ブログをGA4で見たある1か月弱(6/1〜6/17)の実数はこうでした。

  • サイト全体:245セッション / 196ユーザー / 394ページビュー
  • ブログ記事に着地したセッション:54
  • ブログの平均滞在時間:64秒 / 直帰率57%

このとき記事は数十本ありましたが、検索から人が来ていた記事は実質1本だけでした。その1本は15ページビューのうち14が検索からの流入。他の記事は軒並み1〜2ページビューで止まっていました。

差が出た理由ははっきりしています。伸びた1本は「具体的なツール名 × 具体的な困りごと」を扱ったハウツー記事でした。伸びなかった記事は、「数字を信じすぎると判断を間違える」「仕組みを作っても管理を怠ると止まる」といった、読み物としては成立するがそもそも誰も検索していないタイトルの記事群です。

ここが「ブログが必要か」を考えるときの出発点になります。更新が続く・続かないの前に、書こうとしている内容が検索されているかどうかで結果はほぼ決まります。

判断1|自社の周辺に、検索されている質問があるか

「地域名+業種で書けば、地元のお客様に見つけてもらえる」という説明を受けることがあります。これは業種によって当たり外れが大きく、外れる場合は本当に何も起きません

弊社サイトで検証したところ、狙っていた地域名を含むキーワードはそもそも検索回数がほぼゼロでした。地域系キーワードの表示回数は1か月で39回から15回へ減少しています。一方で実際に順位が付いたのは、地域と無関係の「困りごと」キーワードでした。特定のツールが動かないとき、設定がわからないときに全国から検索される言葉です。

この結果から言えるのは、次の2点です。

  • 地域名で探される業種(美容室・飲食・整体など来店型)と、そうでない業種がある。来店型でも、地域名での検索はGoogleマップ側(Googleビジネスプロフィール)に流れていることが多く、ブログ記事で受けるべき需要とは限りません
  • ブログが効くのは、来店前に検索される「質問」がある商売。施術の違い、料金の考え方、失敗しない選び方、といった検索です

判断のしかたはシンプルです。自社が書けそうなテーマを5つ書き出し、サーチコンソールやキーワードツールで実際の検索回数を確認する。ゼロが並ぶなら、その領域でブログを作る意味は薄いと考えてください。「書けること」と「探されていること」は別物です。

判断2|題材が業務の中に溜まっているか

検索されている質問が見つかったとして、次はそれに答えられるかどうかです。

答えられる会社には共通点があります。お客様から実際に何度も聞かれている質問が、頭の中ではなくどこかに残っていることです。カウンセリングでの質問、電話での問い合わせ、施術後の相談。これらが記録として残っていれば、記事の題材は探さなくても出てきます。

逆に、記事を書く段になって「何かネタはないか」と探すところから始まる状態だと、記事1本にかかる時間が跳ね上がります。ここで止まるケースが非常に多いです。文章力の問題ではなく、素材の置き場所が決まっていないことが原因です。

ですから、ブログを載せると決めたなら、記事を書く前に「よく聞かれる質問を書き留める場所」を1つ決めてください。スプレッドシートでもLINEのメモでも構いません。これがない状態で更新頻度だけ約束すると、3か月で止まります。

判断3|公開後に数字を見る手段があるか

これが最も見落とされます。ブログは公開して終わりではなく、公開後に読まれ方を見て直して初めて成果が出るタイプの資産です。

弊社サイトで最も表示回数の多かった記事は、サーチコンソール上でこういう数字でした。

  • 表示回数464回 / クリック9回 / クリック率1.9% / 平均掲載順位8.3位

検索結果には十分出ているのに、タイトルが検索している言葉と合っていないためクリックされていない状態です。中身を書き直す必要はなく、タイトルを実際の検索語に寄せるだけで回収できる取りこぼしでした。

もう1つ、順位とクリックが別物であることを示すデータがあります。タイトルの最適化87本を中心に、サイト全体のSEO改善を進めた結果、10位以内のキーワード数は35件から157件(4.5倍)、表示回数は2.3倍まで伸びました。それでも同じ期間のクリック増加はわずか5です。順位が上がっただけでは人は来ません。

つまり、計測する手段がないままブログを続けると、効いていない記事を効いていないまま増やし続けることになります。最低限、サーチコンソールを登録して、3か月に一度「表示は多いのにクリックされていない記事」を確認できる状態にしてください。それができないなら、記事本数を増やす投資は保留したほうがいいです。

なお、効果判定を短期間でやらないことも重要です。表示回数が1日数十回規模のサイトでは、数日分のデータでは平均順位が1回の検索で±10位動きます。判定は最低でも2〜4週間、比較は4週間単位で見てください。

載せると決めたら、記事より先に決める3つ

3点が揃ってブログを載せると決めたら、1本目を書く前に制作会社と決めておくべきことが3つあります。ここを決めずに走ると、記事が増えてから直しにくくなります。

1. 記事のURLを1本に決める

同じ記事が2つのURLで表示される構成は避けてください。ホームページ側のデザインで記事を表示する仕組みと、WordPress側のURLが両方生きていると、同じ内容が2つのURLで検索結果に出て、クリックを食い合います。実際に、片方のURL群だけで62本・258回の表示が発生していた例があります。

制作会社には「記事のURLは1本ですか。もう一方は転送されますか」と確認してください。この一言で防げます。

2. 記事を読んだ人の行き先を決める

記事は読まれても、行き先がなければ問い合わせにはなりません。表示157回・クリック8回を集めていながら、記事下に問い合わせ導線が1つも置かれていなかった記事が実際にありました。

弊社では全記事の記事下に導線を統一して設置しています。行き先はフォームではなくLINEの友だち追加にしました。店舗ビジネスの読者にとって、フォーム入力より友だち追加のほうが心理的な負担が軽いためです。この導線を整備したあと、検索 → 記事 → LINE登録 → 相談送信という流れで実際の相談が発生しています。ブログが問い合わせに変わるのは、この導線があるときだけです。

3. 記事が「表示されているか」を確認する日を決める

ブログをホームページ本体と別のシステムで表示している構成(WordPressの記事をデザイン側で読み込む方式など)では、管理画面上は正常でも、訪問者側にだけ記事が表示されない状態が起こりえます。設定の一部が更新の際に失われるだけで発生し、記事が読めなくなっていても管理画面には何の異常も出ません。

そして厄介なことに、この状態は誰も気づきません。ブログは毎日見るページではないからです。

対策は単純で、月に1回、実際の記事URLをスマホで開いてみることを運用に入れておくだけです。制作会社に更新や改修を依頼したときも、作業後に記事が1本開けることを確認してもらってください。数十秒の確認で、数週間分の損失を防げます。

更新が止まる前提での置き方

正直なところ、店舗運営をしながらブログを毎週更新するのは簡単ではありません。止まる前提で設計しておけば、止まっても損はしません。ポイントは4つです。

  • 日付を目立たせない。記事一覧やトップページに更新日を大きく出す設計だと、最終更新が半年前であることが訪問者に一目で伝わります。日付表示を控えめにするだけで、止まったときの見え方が変わります
  • 「お知らせ」ではなく、古びない記事を置く。「本日入荷しました」型の記事は1か月で価値がなくなりますが、「白髪染めの頻度の決め方」型の記事は3年後も同じように読まれます。更新頻度が低い前提なら、後者だけを置いてください
  • トップページに架空のサンプル記事を残さない。制作時のダミー記事がトップに残ったままだと、訪問者がクリックした先で「ページが見つかりません」に着地します。公開前に、トップから貼られているリンクを全部クリックして確認してください
  • やめるときは畳む。ブログを閉じる場合、記事をただ削除するとそのURLに来た人が404に着地します。閉じる前に、関連するサービスページへ転送(301リダイレクト)する設定を制作会社に依頼してください

載せない判断をしたときに、代わりに厚くするページ

ブログを載せないと決めた場合、SEOを諦める必要はありません。むしろブログより先に効く場所があります。既存ページの情報量です。

弊社サイトでは、サービス紹介ページ7本を約600字から1,200〜1,650字へ、地域ページ4本を401字から約2,000字へ書き足しました。追加したのは、相談例・実際の進め方・費用の目安・よくある質問です。新しい記事を1本も書かずに、既にあるページの中身を増やしただけです。

店舗ビジネスなら、次のページが該当します。

  • メニュー・料金ページ:金額だけでなく、選び方の基準と所要時間、当日の流れまで書く
  • よくある質問ページ:実際に聞かれた質問をそのまま見出しにする。構造化データ(FAQ)を設定すれば検索結果に質問が表示されることもあります
  • お客様の事例ページ:来店前の悩みと、実際に選んだメニュー、その後どうなったかをセットで書く

これらは一度書けば古びにくく、更新が止まっても価値が下がりません。ブログを続けられる体制がないなら、同じ労力をこちらに使うほうが確実です。

まとめ

ホームページにブログが必要かどうかは、次のチェックで判断してください。

  • 自社の周辺に、実際に検索されている質問があるか(キーワードの検索回数を確認する)
  • その質問に答える題材が、業務の中に記録として残っているか
  • 公開後にサーチコンソールで読まれ方を確認する手段があるか

3つ揃わないなら、ブログは載せず、メニュー・料金・よくある質問・事例のページを厚くする。これが最も損の少ない選択です。

載せると決めたなら、1本目を書く前に「記事のURLは1本か」「記事下の行き先はどこか」「表示が生きているかを誰がいつ確認するか」の3つを決めておいてください。この3つを決めずに記事だけ増やすと、読まれない記事が増え、問い合わせにはつながらず、いつの間にか表示すらされなくなっているという状態になりがちです。

ブログは、載せることが目的ではありません。検索している人の質問に答えて、その人が次の一歩を踏み出せる場所まで案内できるかどうかです。その設計ができないうちは、無理に載せない判断のほうが健全です。

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