ネットショップの記事と商品ページはどうつなぐか|内部リンクを張る向きと、張らない方がいい場面
ネットショップの記事と商品ページはどうつなぐか|内部リンクを張る向きと、張らない方がいい場面
店販をネットショップに広げた店舗が、次にぶつかるのが「記事を書いているのに売り場につながらない」という状態です。商品の使い方やお手入れの記事を10本、20本と書いても、注文が増えた実感がない。逆に、商品ページはあるのに読み物がなく、価格だけで比較されて終わる。
結論から書きます。記事と商品ページをつなぐ内部リンクは、検索順位を押し上げるための道具ではありません。Googleに記事を見つけてもらうための「入口」を作る作業です。 この前提を取り違えると、リンクを増やしたのに何も変わらない、という結果になります。
正しい張り方は次の4つです。
- 記事へのリンクは、サイトの中で最も強いページ(多くの場合トップページ)から張る
- 記事と商品ページで、狙う検索語の役割を分ける
- 記事→商品だけでなく、商品→記事の逆方向も作る
- 出し分けを自動化したら、必ず全件を走査して結果を確認する
以下、実際に運用しているECサイトの実測値をもとに、それぞれ説明します。
内部リンクの有無とインデックス登録が、10本中10本で一致した
美容機器とヘアケア商品を扱うECサイト(Shopify)で、公開済みの記事10本を調べたときの話です。
このサイトは記事を10本公開していましたが、そのうち5本が検索結果にまったく出てきませんでした。この状況で最初に疑われるのは、たいていキーワードの選び方です。タイトルの付け直しから手をつけたくなります。
その前にSearch ConsoleのURL検査で1本ずつ状態を確認したところ、はっきりした線が引けました。
| 記事 | トップページからのリンク | インデックス状態 |
|---|---|---|
| 5本 | あり | 登録済み(クロール実績あり) |
| 5本 | なし | 検出 – インデックス未登録(クロールすらされていない) |
10本中10本が一致しました。 リンクがある記事は全部登録され、ない記事は全部登録されていない。キーワードの問題ではなく、そもそも読まれに来ていなかったわけです。
ここで重要なのは、インデックスされていない記事はタイトルを変えても効果がゼロだということです。検索結果に存在しないページの見出しを直しても、誰も見ません。順位の話は、登録された後にしか始まりません。
商品ページの改善や記事のリライトに手をつける前に、まずURL検査で「登録されているか」を確認してください。ここが未登録なら、やることは文章ではなくリンクです。
「ブログ一覧に載っている」はリンクとして数えない
このケースで見落としやすいのが、未登録だった記事もブログ一覧ページにはきちんと表示されていた、という点です。一覧からのリンクは存在していた。それでもクロールされていませんでした。
一覧ページは記事が増えるほど1本あたりの重みが薄まり、ページ送りの奥に押し込まれていきます。「一覧に載せてあるから導線はある」という判断は、実測では成立しませんでした。
新しい記事を確実に拾わせたいなら、一覧任せにせず、トップページや主要カテゴリページなど、外部からの評価が集まっている場所から直接張るのが確実です。全記事を張る必要はありません。伸ばしたい記事を数本選んで置くだけで違いが出ます。
ただし、リンクを増やせば順位が上がるわけではない
ここで逆の実測も出しておきます。内部リンクを「順位対策」として捉えると、必ず期待外れになります。
自社で運用している記事型のサイトで、順位が伸び悩む原因を調べたことがあります。仮説のひとつが「内部リンク不足」でした。実際に全記事の被リンク本数を数えたところ、
- 記事1本あたりの被リンクは平均6.9本
- 被リンクが0本の記事は1本もなかった
- 被リンクが18本ありながら19位にとどまっている記事が存在した
つまり内部リンク不足は原因ではありませんでした。十分に張られていても、順位は動いていなかったのです。
整理するとこうなります。
- 内部リンクが足りない → クロールされない(=土俵に上がれない)
- 内部リンクが足りている → クロールはされる。そこから先は中身とキーワード次第
リンクは入口であって、燃料ではありません。入口が開いた後で順位が上がらないなら、原因はリンクの本数ではなく、狙っている検索語か記事の中身の側にあります。この切り分けができていないと、効果のない作業を延々と続けることになります。
記事と商品ページで、狙う言葉の役割を分ける
内部リンクを張る前に決めておくべきことがあります。記事と商品ページで、同じ検索語を狙わないことです。
先ほどのECサイトで、16か月分の検索データ(対象ブランド関連94クエリ・表示217回)を調べたところ、記事ページに着地したクエリが1本もありませんでした。記事が狙っていた「商品名+ブランド名」のような指名系の語は、すべて商品ページが受け止めていたのです。
これは自然な結果です。商品名で検索する人が求めているのは、価格と在庫と購入ボタンです。Googleも売り場を出します。同じ語で記事を書いても、自社の商品ページと競合して負けます。
そこで役割をこう分けました。
- 商品ページ … 指名系の語(「商品名」「ブランド名+型番」)を取り、そのまま購入へつなぐ
- 記事 … 商品ページでは取れない修飾語つきの語を取り、商品ページへ送る
修飾語つきというのは「◯◯ 値段」「◯◯ 海外で使える」「◯◯ 比較」「◯◯ 使い方」のような、判断材料を探している段階の検索です。実際、このサイトでも修飾語つきの語では3位・5位・7位に入っているページがありました。指名系では20位前後だったのに、です。
記事の役割は「まだ商品名を知らない人を拾って、売り場へ渡すこと」。この整理をしてからリンクを設計すると、どの記事からどの商品へ張るべきかが自動的に決まります。
張る向きは双方向にする
多くのサイトが「記事の末尾に商品リンクを置く」ところで止まっています。それ自体は正しいのですが、片道では効果が半分です。
先ほどのECサイトも、記事から商品へのリンクは実装済みでしたが、商品ページから記事へのリンクは32点すべてで0本でした。指名検索でいちばんアクセスが集まっているのは商品ページなのに、その評価がどこにも流れていない状態です。
そこで商品ページの下部に「この商品の解説記事」のブロックを追加しました。結果、記事14本すべてに被リンクが付き、それまで未登録だった5本にも5〜15本のリンクが入りました。
商品→記事の導線は、SEOだけの話ではありません。商品ページを見て迷っている人に、判断材料を渡す場所になります。カートに入る前の「これ、自分に合うのかな」を埋めるのは、スペック表ではなく解説記事です。
張ってはいけない張り方
一方で、やり方を間違えると効果が出ないどころか、気づかないまま壊れます。よくある形を4つ挙げます。
1. 全商品から同じ記事へ一律に張る
リンク先が1本に集中すると、他の記事はいつまでも入口を持てません。商品ごとに違う記事が出るようにするのが基本です。
このとき、商品IDを使って機械的に振り分ける実装をすることがありますが、IDには規則性があることを前提にしてください。実際に調べたところ、あるショップの商品IDは全件が同じ剰余になっており、単純な計算で分散させたつもりが、特定の記事が一度も選ばれない状態になっていました。エラーは出ません。静かに偏るだけです。
自動で出し分ける仕組みを入れたら、全商品を走査して「どの記事が何回出たか」を数える。これをやらないと、動いているつもりで固定されている状態に気づけません。
2. カテゴリをまたいで混ぜる
他社メーカーの機器を見ている人に、自社オリジナルのヘアケア記事を出しても読まれません。商品タイプなどで確実に振り分けられる条件を先に用意します。前述のECサイトでは、商品タイプの値が対象32点と完全に一致することを確認したうえで判定に使い、全件で条件違反ゼロになるまで詰めました。
3. 記事本文に直接リンクを書き込む
一見いちばん簡単ですが、後で全部直せなくなります。運用している自社ブログでは、記事下の導線をテンプレート側に一本化し、記事カテゴリに応じて文言だけを出し分ける形にしました。175本を一度に切り替えられます。本文に直書きされたものは削除してテンプレートへ寄せました。
このとき注意が必要なのが、1つの記事が複数カテゴリに属している場合の判定順です。175本のうち107本が2つのカテゴリを持っており、素直に上から判定すると122本に意図しない文言が出ます。範囲の広いカテゴリを最後に評価する、という優先順位を明示して回避しました。カテゴリ判定は「配列の順番」ではなく「意味の順番」で書いてください。
4. 中身の薄い記事へリンクを集める
入口を作れば読まれますが、読まれた先が薄ければ離脱するだけです。すでにインデックスされていて順位も付いている記事に、さらにリンクを足しても順位はほとんど動きません。リンクを足す価値があるのは「未登録の記事」と「これから伸ばす記事」です。既存の記事すべてに均等に張る作業は、効果のわりに手間がかかります。
実装したあとに確認する3つ
内部リンクの施策は、入れた直後は見た目が変わるだけで、効果が出るまで時間がかかります。だからこそ、入れた時点で機械的に確認できることは確認しておきます。
- 全ページを走査して、リンク先の分布を数える … 特定の記事に偏っていないか、0本の記事が残っていないか
- カテゴリ違いの混入がゼロか … 条件違反の件数を数える。目視ではなく件数で見る
- 数週間後にURL検査で再確認 … 未登録だった記事が「登録済み」に変わったか。ここが変わらなければ、リンク元のページ自体が弱い可能性があります
順位の変化を見るのはその後です。インデックスされていない段階で順位を見ても、判断材料になりません。
まとめ
- 内部リンクは順位を上げる道具ではなく、クロールされる入口を作るもの
- 記事が検索結果に出ないときは、まずURL検査でインデックス状態を確認する。未登録ならタイトル修正は無意味
- 入口は一覧ページではなく、トップなど強いページから直接張る
- 記事は修飾語つきの語、商品ページは指名系の語。同じ語を両方で狙わない
- 商品→記事の逆方向を作ると、指名検索で集まった評価が記事に回る
- 自動で出し分けたら、全件走査して分布と条件違反を数える。目視では偏りに気づけない
ネットショップの記事は、書けば書くほど売れるものではありません。書いた記事が「見つけられる状態にあるか」を先に確かめると、次にやるべきことがはっきりします。まずは公開済みの記事を1本、URL検査にかけてみてください。
graciautoは名古屋を拠点に、店舗ビジネスのホームページ・ネットショップ・LINE導線をまとめて設計しています。記事を書いているのに売り場につながらない、という状態が続いているなら、一度ご相談ください。