LINE公式で友だちによって違うリッチメニューが出る原因|追加経路ごとに設定が残る仕様と、全経路をそろえる確認手順
LINE公式で友だちによって違うリッチメニューが出る原因|追加経路ごとに設定が残る仕様と、全経路をそろえる確認手順
同じLINE公式アカウントなのに、お客さまによって表示されるリッチメニューが違う。新しいメニューに切り替えたはずなのに、一部の友だちには古いメニューが出続ける――多店舗でLINE公式を運用していると、この症状に必ずどこかで出会います。
先に結論を書きます。リッチメニューは「アカウントに1枚」ではなく、友だち一人ひとりに個別に適用されるものです。そしてLステップなどの拡張ツールを使っている場合、友だち追加用のQRコード(流入経路)ごとに「どのメニューを表示するか」の設定が紐づいています。メニューを刷新するときは、メニュー本体の差し替えと全員への一括適用だけでは足りず、次の3か所をすべて新メニューにそろえる必要があります。
- 友だち追加時設定(新規の友だち・ブロック解除した友だちに効く初期メニュー)
- 運用中の全経路のアクション(店頭QR・ポイントQRなど、読み取りのたびに実行されるメニュー変更)
- シナリオ・ステップ配信の中のメニュー操作
どれか1つでも旧メニューを指したまま残っていると、その経路を通った友だちだけが古いメニューに戻ります。「切り替わらない」のではなく「切り替えた後に戻されている」。これがこの問題の見つけにくさの正体です。
なぜ友だちによって表示されるメニューが違うのか
LINE公式アカウントのリッチメニューには、全体のデフォルトとして表示されるものと、特定の友だちに個別適用されるものがあり、個別適用がデフォルトより優先されます。拡張ツールで「この人にはこのメニュー」と出し分けているアカウントでは、全友だちが何かしらの個別適用を持っている状態です。
ここに経路の仕様が重なります。拡張ツールの流入経路(友だち追加QR)には、読み取られたときに実行するアクションを設定でき、その中に「リッチメニューを変更する」操作を入れられます。店舗ごとの来店QRやキャンペーンQRを作り込んでいるアカウントほど、この経路の数は多くなります。
問題は、メニューを刷新したときに経路側のアクションが自動では追従しないことです。経路のアクションは「旧メニューに変更する」という指定のまま残ります。新メニューを全員に一括適用しても、お客さまが来店して店頭QRを読んだ瞬間、その友だちだけ旧メニューへ戻される。友だちによって見えるものが違う状態は、こうして生まれます。
なお、出し分けそのものは正しい機能です。業態の違う店舗グループに別メニューを出す、会員ランクでメニューを変える、といった設計は意図した食い違いです。直すべきなのは「そろえたいのに経路の設定が古いままでズレている」ケースに限られます。
実例:一括切替した当日、旧メニューの友だちが増え続けた
名古屋のWEB制作会社graciautoが構築を担当している、全国に300店舗超を展開するサロングループのLINE公式アカウント(友だち50万人超)での実例です。店頭サービスの導線を増やすため、リッチメニューをタブ付きの新メニューへ刷新し、全友だちへの一括適用まで完了しました。
ところが切替後の実測で、旧メニューが適用されている友だちの人数が6人から91人、さらに178人へと増え続けました。一括適用は成功しているのに、旧メニューの友だちが「増える」のです。
原因は経路でした。このアカウントには店舗ごとの来店ポイントQRが約350経路あり、その多くのアクションに「リッチメニューを旧メニューに変更」が無条件で入っていました。来店したお客さまがポイントQRを読むたび、新メニューに切り替わったはずの友だちが1人ずつ旧メニューへ戻されていたわけです。来店頻度の高い多店舗ビジネスでは、この巻き戻りは1日で数十人規模になります。
対応は全経路の実査です。別業態でメニューを分けたままにする10店舗を除外リストにした上で、約340経路を1件ずつ開いて確認したところ、旧メニューを指したままの経路が25件残っていました。この中には、事前の一括修正より後から追加された新しい経路が含まれていました。一括修正はその時点に存在する経路にしか効かないため、新店オープンなどで後から作られた経路が旧設定のまま漏れます。
25件すべての修正が反映された後は、旧メニューの適用者は増えなくなりました。残った少数の友だちは修正前にQRを読んだ人たちで、次回来店時にQRを読めば新メニューへ切り替わるため、個別の対応は不要です。
全経路をそろえる確認手順
同じ症状に対応するときの手順です。順番に意味があるので、上から進めてください。
手順1:効果指標を先に決める。 「旧メニューが適用されている友だちの人数」です。拡張ツールのリッチメニュー一覧には各メニューの適用人数が表示されます。修正が効いていればこの数字は減っていき、増えているなら旧メニューを指す経路がまだ残っています。作業した本人の「直しました」より、この人数の推移のほうが信頼できる完了判定です。
手順2:あえて分ける経路の除外リストを作る。 業態や事業部が違う店舗など、別メニューのままが正解の経路を先に書き出します。これを飛ばすと「そろえる修正」が「壊す修正」になります。
手順3:全経路を棚卸しする。 流入経路の一覧から1件ずつアクション設定を開き、「リッチメニュー変更」がどのメニューを指しているかを確認します。経路が数百件あっても、確認(読み取り)だけなら修正よりずっと速く進みます。判断に迷う経路は勝手に変えず、リストに残して運用責任者に確認します。
手順4:友だち追加時設定を確認する。 ここは経路とは別の場所にあり、見落としやすいポイントです。QR経由の登録は経路側のアクションが上書きするため普段は目立ちませんが、検索やID経由で登録した新規の友だちと、ブロックを解除して戻ってきた友だちには、この設定のメニューがそのまま出ます。
手順5:シナリオ・ステップ配信内のメニュー操作を確認する。 配信の途中でメニューを切り替える設計にしている場合、そこにも旧メニューの指定が残っている可能性があります。
手順6:修正は1件ずつ、保存のたびに再読込で確認する。 理由は次の章で説明します。
修正作業で起こりうる落とし穴
この作業には、実際にやってみて初めて分かる罠がいくつかあります。先に知っておくと防げます。
画面遷移は保存成功を意味しない。 管理画面によっては、保存ボタンを押して一覧画面に戻っても、サーバー側に値が反映されていないことがあります。特にブラウザの自動操作や連続作業では保存の空振りが起こりやすく、先の実例でも保存が反映されない事象が複数件発生し、旧メニュー適用人数が減らずに増え続けることから発覚しました。「まとめて修正して最後に一括確認」ではどれが失敗したか分からなくなります。1件保存するごとに画面を開き直し、現在値が変わっていることを見てから次へ進む手順を最初から組み込んでください。
後から作る経路で旧設定が復活する。 経路の一括修正は、その時点に存在する経路にしか効きません。新店オープンなどで経路を新設するとき、既存経路をコピーして作る運用だと、コピー元次第で旧メニュー指定が復活します。経路新設の手順書に「メニュー変更アクションの指定先は現行メニューにする」と1行明記しておくのが、いちばん安い再発防止です。
適用済みの友だちを個別に直そうとしない。 旧メニューが適用されている友だちが残っていても、経路さえ直っていれば、次にQRを読んだタイミングで新メニューに切り替わります。数百人を1人ずつ操作する必要はありません。追いかけるべきは人数がこれ以上「増えない」ことです。
まとめ:メニュー切替のチェックリスト
リッチメニューを刷新するとき、友だちによる表示の食い違いを出さないための確認項目です。
- メニュー本体の差し替えと全員への一括適用だけで完了にしていないか
- 友だち追加時設定は新メニューを指しているか
- 運用中の全経路のメニュー変更アクションを棚卸ししたか(あえて分ける経路の除外リストつきで)
- シナリオ・ステップ配信内のメニュー操作を確認したか
- 一括修正の後に追加された経路が漏れていないか
- 修正は1件ずつ保存し、再読込して実際の値を確認したか
- 「旧メニューの適用人数」を切替の前後で追い、減って止まることを見届けたか
友だちによってメニューが違う症状は、メニュー側ではなく経路側に原因があることがほとんどです。まず旧メニューの適用人数を確認し、増えているようなら経路の棚卸しから始めてください。
graciautoでは、LINE公式アカウントの構築だけでなく、多店舗・大規模アカウントの経路設計や切替時の移行作業までを一貫して行っています。リッチメニューの出し分けや切替でお困りの際は、お気軽にご相談ください。