愛知・三重で店舗のWeb集客を外注する前に|地域商圏で効く施策の順番はSEOからではない
愛知・三重で店舗のWeb集客を外注する前に|地域商圏で効く施策の順番はSEOからではない
先に結論を書きます。
愛知・三重のような地域商圏で店舗がWeb集客に手をつけるなら、順番は次の5段階です。①商圏の線引き → ②受け皿(予約・料金・連絡先) → ③Googleマップと口コミ → ④エリアを絞った検索広告 → ⑤サイトの記事・SEO。SEOは最後で構いません。というより、最後に置かないと費用が合いません。
理由は単純です。地域名を含むキーワードは、順位が上がるまでに数か月かかります。そしてその間、順位が20位や30位にいるページは、あるだけで何も生みません。弊社自身のサーチコンソール実測でも、「web集客 三重」は直近90日で表示8回・平均30.5位、「google広告 名古屋」は表示2回・平均33.5位です。地域×Web系のキーワードは、上位に入るまで露出がほとんど立ち上がらないと考えてください。一方で、エリアを絞った検索広告は設定した日から地元の検索結果に出せます。今月の来店をつくる施策と、半年後の土台をつくる施策は、同じ予算に入れて比べるものではありません。
弊社(graciauto)は名古屋を拠点に、店舗ビジネスのホームページ制作・Google広告運用・LINE公式アカウント構築をしています。この記事の根拠にするのは主に2つの現場です。ひとつは愛知県内で20店舗超を展開する白髪染め専門サロンのフランチャイズ(一宮・津島・愛西・西尾・岡崎・名古屋市内各区など)、もうひとつは三重県北部に拠点を置き、墓石清掃とハウスクリーニングを提供する清掃サービスの事業者です。県をまたぐ商圏と、市・区の単位で切る商圏の両方を、同時に運用している立場から書きます。
地域商圏の施策には順番がある
まず全体像を出します。ここを飛ばして「とりあえずホームページとブログ」から入ると、費用の回収がいちばん遅い順に手をつけることになります。
| 順番 | やること | 成果が出るまで | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| ① | 商圏の線引きを文章にする | 即日 | 0円(自社で決める) |
| ② | 受け皿(予約・料金・連絡先)を直す | 1〜3週間 | 制作費・改修費 |
| ③ | Googleマップと口コミの運用 | 1〜3か月 | ほぼ人の手間 |
| ④ | エリアを絞った検索広告 | 配信初日から | 月2万円〜 |
| ⑤ | サイトの記事・SEO | 3〜6か月 | 制作費+更新の手間 |
①と②は、外注先を決める前に経営者側で決着させておく部分です。ここが空白のまま発注すると、制作会社は一般論のサイトしか作れません。
順番1|商圏の線引きを、先に文章にする
商圏の線引きとは、「どこから来る客を相手にするか」と「どこまで自分たちが出ていくか」を、あいまいなまま残さず文章にすることです。
「県」ではなく、市・町・駅の単位で書く
三重県・愛知県という単位で考えている限り、ページも広告も焦点が合いません。実際に検索する側は「四日市 ハウスクリーニング」「北方 白髪染め」「鳴子北 カラー専門店」のように、市・町名・駅名で探します。前述のサロンチェーンで運用している検索広告も、キーワードは各店の地域名を含むフレーズ一致で10件前後に絞る設計です。県名の大きな言葉を1つ置くより、町名の小さな言葉を10個置くほうが、地域商圏では確実に当たります。
対応エリアの「外側の条件」まで書く
三重の清掃サービス事業者のサイトでは、対応エリアをこう明示しています。拠点は三重県内、愛知・岐阜・滋賀は交通費を別途いただく形で対応、それ以外の地域は出張見積りで相談。営業時間についても、早朝・深夜などの時間外は別途見積りで対応可、と書いています。この「条件つきで対応できる範囲」まで書くと、問い合わせの質が変わります。エリア外を切り捨てるためではなく、条件を先に開示して見積り前の食い違いを消すためです。
しかもこの記載は、トップページに1回だけ書いても効きません。同事業者のサイトでは、FAQ・運営情報・スタッフ紹介の3か所に同じ内容を置いています。地域客は会社概要を隅々まで読まないので、判断に使われる場所すべてに置くのが正しい形です。
商圏は、感覚ではなく数字で決める
線引きを感覚で決めると外れます。弊社が運用する別案件(名古屋のレザーブランドのEC)では、経営側の体感は「東海3県が中心」でしたが、GA4の実購買データでは東京が約3割で断トツ、岐阜・三重はゼロでした。広告の配信地域は購買実績の上位13都道府県に絞り直しています。
店舗ならもっと簡単で、予約台帳やカルテにある来店客の住所を市区町村単位で1か月分数えるだけです。この集計を持って制作会社と話すかどうかで、出てくる提案がまったく変わります。
順番2|受け皿を直す。ここが抜けていると以降の予算が漏れる
受け皿とは、来た人が行動を完了できる状態のことです。ここが不完全なまま広告やGoogleマップに予算を入れると、集めた分だけ取りこぼします。
料金は、幅でいいので先に出す
地域客が比較しているのは「対応エリア」と「いくらか」の2点です。前述の清掃サービス事業者のサイトでは、墓石の定期清掃を年2回29,700円・年4回59,400円、上位プランを単発37,400円・年2回65,000円・年4回99,000円と明示し、ハウスクリーニングはパック7種と単品13種を一覧にしています。エアコンのオプションもドレンパン洗浄6,000円(お掃除機能付きは10,000円)、防カビコーティング3,000円と単価を出しています。
金額を出すと安い店に負ける、という不安はよく聞きます。実際には逆で、金額が無いページは「問い合わせないと分からない店」として比較の土俵から外れます。1点ずつ出しづらければ、パック料金と「単品は◯◯円〜」の下限だけでも構いません。
連絡手段は、全ページの同じ位置に固定する
電話・LINE・メール・SNSのうち、店として本当に返せるものだけを選び、全ページのヘッダーとフッターの同じ位置に置きます。前述の清掃サービス事業者では、ヘッダーにLINEの大ボタンとInstagramアイコンを置き、スマートフォンのメニュー内にも同じ導線を用意し、電話番号とメールアドレスを本文にも併記しています。
起こりがちなのが、ページによってヘッダーの中身が違う状態です。トップには予約ボタンがあるのにブログ側には無い、という作りは、サイトを複数回に分けて作った店で頻発します。ヘッダーとフッターは全ページ共通、を発注時の条件に入れておくと防げます。ページ構成の決め方は地域客に効く3ページの決め方にまとめています。
広告の着地は、専用LPの完成を待たなくていい
新店舗の集客を立ち上げるとき、専用のランディングページが無いから広告を止めておく、という判断は不要です。前述のサロンチェーンで名古屋市内に出した新店では、LPを制作せず、広告のリンク先を予約システムのメニュー画面へ直接向けて配信を開始しました。予約が完了できる画面があれば受け皿としては成立します。LPは配信データが溜まってから、必要なら作る順番で構いません。
公開前に、記事URLを実際に踏んで確認する
技術面の受け皿も点検対象です。WordPressのサイトアドレス設定を誤ると、ブログ記事のURLがすべてトップページへ転送され、記事が1本も表示されない状態が起こり得ます。実際に、引き継いだサイトがこの設定になっており、公開済みの記事9本が検索にもユーザーにも届いていなかった例があります。
防ぎ方は単純で、公開前とサーバー移転後に、記事一覧から記事URLを2〜3本クリックし「記事として開くか」を目視するだけです。記事を増やす契約を結ぶ前に、この確認を1回入れてください。
順番3|Googleマップは「やる/やらない」ではなく、件数を数えるところから
地域商圏で、来店前にいちばん見られているのはGoogleマップです。ただし「MEO対策をする」という粒度の話をしても進みません。自店の現在値を数えるのが先です。
弊社が運用しているサロンチェーンの店舗網では、同じブランド・同じ業態で運営していても、口コミ件数は260件を超える店から0件の店まで分布しています。21店舗のうち、口コミがまだ1件も付いていない店が8店ありました。差を生んでいるのは、店頭で口コミを依頼する動線があるかどうかです。
まず数えるのは、①口コミ件数 ②平均評価 ③直近3か月の新着件数 ④返信率、の4つです。月初にこの4つを記録するだけで、施策の要否が判断できます。件数の意味と予約数への換算は、20店舗の実データで検証した記事で詳しく扱っています。
口コミ依頼でやってはいけないこと
依頼の設計には明確なルールがあります。弊社が店舗向けの口コミ運用の仕組みを作るときは、次の3点を守る前提で設計しています。
- 高評価の人だけをGoogleへ誘導しない(レビューゲーティングは規約違反)。全員に同じ導線を出す
- 謝礼・割引と引き換えに口コミを依頼しない
- 星や本文を外部から自動入力しない。文面の下書きを渡すことはできても、投稿はお客様本人の操作で行う
来店直後にアンケートへ回答してもらい、その回答内容をもとに文面の候補を提示し、投稿するかどうかは本人が決める。この形なら規約に触れません。店内のQRコード1枚から始められます。
返信は、下書きを自動化しても最終確認は人が行う
返信文をAIで下書きするのは実務的に有効ですが、そのままGoogleへ自動投稿する設計にはしないでください。弊社が構築した運用でも、1件ごとに人が本文を確認してから公開する操作を必須にしています。低評価や、けが・かぶれ・返金といった語を含む口コミは、返信の前に店の責任者へ通知が飛ぶようにしておくと安全です。
順番4|検索広告は「エリアを絞る設定」で結果が決まる
ここが、今月の来店をつくる部分です。地域商圏の検索広告は、広告文の巧拙より設定精度で差がつきます。
店舗ごとにキャンペーンを分ける
複数店舗を1つのキャンペーンにまとめると、どの店に効いているか分からなくなり、地域指定も1つしか持てません。前述のサロンチェーンでは1店舗1キャンペーンを原則にしています。新店を追加したときの実設定は、日予算667円(月およそ2万円)、上限クリック単価80円、地域名を含むキーワード10件前後です。月2万円規模から店舗単位で始められます。
地域ターゲットは、作成直後に1件ずつ確認する
キャンペーンを複製して増やすと、地域ターゲットが引き継がれず「全国配信」のまま動くことがあります。この状態は表示回数もクリックも普通に出るため、レポートの見た目では気づきません。商圏外のクリックを買い続けるだけで、来店にはつながりません。
対処は運用ルールで済みます。キャンペーンを作成した直後と、月初の定例チェックで、全キャンペーンの地域ターゲット一覧を出して1件ずつ目視する。弊社では複数店舗のアカウントを一括で読み出し、地域指定が空のキャンペーンと、隣接店舗どうしで市の指定が重複しているキャンペーンを検出できるようにしています。重複も要注意で、隣り合う2店が同じ市を指定していると、自社の店同士で同じ検索に入札することになります。
区・町の単位が指定できないときは、半径で切る
名古屋市内の区のように、広告の管理画面に地域の指定単位が用意されていない場合があります。選択肢は2つで、市全体を指定して運用でカバーするか、店舗を中心とした半径で切るかです。弊社では市南部の店舗の求人広告で半径8kmを指定し、南区・緑区・瑞穂区・熱田区・港区をカバーしています。市町村までしか指定できない媒体でも、半径指定なら商圏に合わせられます。
多店舗は、自社の他店の名前を除外する
意外に見落とされるのが、自社ブランド名の扱いです。前述のサロンチェーンで過去30日の検索語句を分析したところ、ブランド名を含む指名検索に広告費の約18%が使われていました(一宮エリアで1,129円・30クリック、愛西エリアで1,145円・92クリック)。一宮では指名語の比率が31%に達した時期もあります。
指名検索そのものは悪ではありません。問題は、A店の広告が「ブランド名+B店の地名」という検索に出てしまうことです。来店できない店の広告費で、別の店の客を刈り取っている状態になります。対処は、各キャンペーンに他店舗の地名・店名をフレーズ一致の除外キーワードとして登録すること。前述のチェーンでは57件を一括追加しました。あわせて求人・転職・美容師といった採用系の語も、基本除外として9件前後入れておきます。エリアと目的の絞り方は地域の美容室がGoogle広告で失敗する理由でも扱っています。
順番5|最後に、サイトの記事とSEO
ここまで整えてから記事に入ります。冒頭の実測のとおり、地域×Web系のキーワードは順位が20位・30位の段階では表示回数が1桁です。①〜④で予約が回り始めてから着手しても遅くはありません。
多店舗の場合、記事より先にやる価値があるのが店舗ページ同士の相互リンクです。前述のサロンチェーンでは、全店舗のサイトに共通の店舗一覧ページを設置し、どの店から入っても他店へ回遊でき、そこから各店の予約導線へ直接飛べる状態にしました。
記事を書く場合も、粒度は商圏に合わせます。「愛知県 ハウスクリーニング」ではなく「四日市 エアコンクリーニング 料金」のように、市・町名と、実際に問い合わせが来ているサービス名を掛け合わせる。着手順の考え方はSEOはどこから手をつけるかにまとめています。
外注する前に決めておく5項目
発注前に、次の5項目を自社で決めておいてください。この5行が埋まっていれば、どの制作会社に相談しても話が具体化します。
| 項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| 商圏 | 対応する市・町名。交通費や出張の条件。対応しない範囲 |
| 数える指標 | 予約数・問い合わせ数・口コミ件数など、毎月見る数字を3つ |
| 受け皿 | 予約手段(Web予約/電話/LINE)と、公開できる料金の範囲 |
| 予算の置き場所 | 制作費と、広告費・運用費を分けた月額の上限 |
| 更新担当 | 公開後に誰が何を更新するか。自社か制作側か |
とくに最後の1行が抜けたまま公開されたサイトは、半年で情報が古くなります。更新できない箱は、最初から作らないほうが良いです。
よくある質問
Q. 三重の店舗ですが、名古屋の制作会社に頼んで問題ないですか
打ち合わせと修正は画面共有で完結するため、距離による支障はありません。判断すべきは所在地ではなく、市・町・駅の粒度で商圏を設計できるか、広告の地域設定を自分で触れるか、公開後に数字を見る体制があるか、の3点です。
Q. SEOは、まったくやらなくていいのですか
やらない、ではなく順番が最後という意味です。ただし②の受け皿づくりの段階で、ページタイトルに市名・町名を入れる、記事URLが正しく開く状態にする、といった基礎は同時に済ませておきます。これは記事施策ではなく制作の一部です。
Q. 広告費はいくらから始められますか
店舗1つあたり月2万円台から実運用できます。前述のとおり、日予算667円・上限クリック単価80円・キーワード10件前後で稼働している店舗があります。まず1店舗で2〜3か月動かし、予約に結びついた検索語を見てから広げるのが安全です。
Q. 口コミがまだ0件の新店は、何から始めればいいですか
店頭でのアンケートとQRコードの設置です。同じブランドの店舗でも口コミが0件の店と260件超の店に分かれるのは、来店後に依頼する動線があるかどうかの差です。ただし、高評価の人だけを誘導する形にはしないでください。
まとめ
愛知・三重の地域商圏でWeb集客を外注するときの順番は、①商圏の線引き ②受け皿 ③Googleマップと口コミ ④エリアを絞った検索広告 ⑤記事・SEO、の5段階です。①と②は発注前に自社で決着させ、③と④で今月の来店をつくり、⑤で半年後の土台を積む。この配分にすると、初月から数字が動きます。
弊社は名古屋を拠点に、愛知・岐阜・三重の店舗ビジネスのホームページ制作、Google広告運用、LINE公式アカウント構築を行っています。商圏の線引きや、今の受け皿で何が漏れているかの診断だけでも承ります。