GA4とサーチコンソールでブログを改善する実務フロー|APIで自動取得して直す記事を見つける
「ブログのアクセスを分析して改善したい」と思ってGA4(Googleアナリティクス4)を開いても、PV(ページの表示回数)が並んでいるだけで、次に何を直せばいいのか分からない——という相談をよく受けます。
結論から言うと、ブログ改善の一番効く一手は「表示回数は多いのに、クリック率(CTR)が低い記事」を見つけて、タイトルとメタ説明文を検索語に合わせて直すことです。そして、この「表示は多いのにクリックされていない記事」はGA4では見つけられません。見つけられるのはGoogleサーチコンソールのほうです。
この記事では、GA4とサーチコンソールの役割の違い、両方の数字をAPIで自動取得して毎回の手作業をなくす手順、そして「どの記事をどう直すか」の判断基準を、弊社が自社ブログで実際にやっている流れと実データで解説します。対象は、自分でブログを運用している店舗経営者と、サイトを預かっているWEB担当者の方です。
先に結論:GA4とサーチコンソールは役割が違う
まず、この2つのツールは見ている場所がまったく違います。ここを混同すると分析が空回りします。
- GA4:サイトに来た「あと」の話。どの記事が何回読まれたか、どこから来たか(検索・SNS・直接など)、どれくらい滞在したか。
- サーチコンソール:サイトに来る「前」の話。どんな検索語で、何位に表示され、何回表示され、何回クリックされたか。
ブログ改善に必要なのは、多くの場合サーチコンソール側の数字です。なぜなら「表示はされているのにクリックされていない記事」は、あと少しの手直しで伸びる一番おいしい在庫だからです。これはGA4のPVを眺めていても永遠に見えてきません。GA4で分かるのは「結果としてどれが読まれたか」であって、「どこに取りこぼしがあるか」ではないからです。
正しい順番はこうです。
- サーチコンソールで「表示は多いのにCTRが低い記事・検索語」を洗い出す
- その記事のタイトルとメタ説明文を、実際に表示されている検索語に寄せて書き直す
- GA4で流入と滞在の変化を確認し、記事の中身そのものを改善する
つまりサーチコンソールで「直す場所」を特定し、GA4で「直した効果」を確かめる。この役割分担が土台になります。
実例:自社ブログの数字で見た「取りこぼし」
抽象論だと分かりにくいので、弊社の自社ブログで実際に取得したサーチコンソールのデータを出します。ある月の約1か月間、サイト全体の数字はこうでした。
- クリック96/表示2586/CTR3.7%/平均掲載順位11.0
平均掲載順位11というのは、検索結果の1ページ目の下から2ページ目の上あたりです。表示は2586回されているのに、クリックは96しかない。つまり「見えてはいるが選ばれていない」状態が全体に広がっていました。
さらに記事単位で見ると、取りこぼしがはっきり出ました。
- ある技術ハウツー記事:表示464・クリック9・CTR1.9%・掲載順位8.3
この記事はブログ内で表示回数が突出していました(2位以下の記事の約10倍)。にもかかわらずCTRは1.9%しかない。仮にCTRを5%まで上げられれば、クリックは9から23前後まで増える計算です。記事を1本も新しく書かずに、タイトルとメタ説明文を直すだけで、クリックが2倍以上になり得る在庫がそこにあった、ということです。
なぜCTRが低かったかというと、記事タイトルが実際に検索されている語とズレていたからでした。サーチコンソールで関連する検索語を見ると、順位8〜10(1ページ目の下から2ページ目の上)に表示されているのにクリックがほぼゼロの語がいくつも並んでいました。表示はされている=内容は評価されつつある。あとはタイトルで「これはあなたの探している記事です」と伝えられていないだけ。ここがサーチコンソールでしか見えない部分です。
もう一つ、タイトルの付け方でよく起こる取りこぼしがあります。「数字を信じすぎると判断を間違える」といったエッセイ調のタイトルは、読み物としては悪くありませんが、サーチコンソールで見ると表示回数がほぼゼロになりがちです。誰もその言葉では検索しないので当然です。ブランド発信としてはありでも、検索流入は最初から見込めません。こうしたタイトルは、記事のURLはそのままに、検索語を含んだタイトルへ付け替えておくのが正解です。実際に検索語入りへ改題すると、それまで表示が付かなかった記事が検索結果に載り始め、まず土俵に上がれるようになります。
APIで数字を自動取得する手順
ここまでの分析は、GA4とサーチコンソールの管理画面を手で開いてもできます。ただ、記事が数十本を超えてくると、毎回画面を開いてCSVを落として並べ替えて……という作業が地味に重くなります。そこで役に立つのが、両ツールのAPIで数字を自動取得する仕組みです。
全体の流れはこうです。
- Google Cloud側でサービスアカウント(プログラム用の権限つきアカウント)を1つ作る
- そのアカウント向けに「GA4 Data API」と「Search Console API」を有効化する
- GA4のプロパティ側で、そのサービスアカウントのメールアドレスを「閲覧者」として追加する
- サーチコンソール側でも、同じメールアドレスをユーザーとして追加する
- 発行した鍵ファイルを使い、スクリプトからGA4のrunReportとサーチコンソールのsearchAnalytics.queryを叩く
サービスアカウントを1つ用意すれば、GA4もサーチコンソールも同じ鍵で読めます。個人のGoogleログインに紐づくトークンは有効期限で切れることがあり、無人で回す運用には向きません。定期実行するならサービスアカウントに一本化するのが結局いちばん安定します。
つまずきやすいポイント:サーチコンソールは「ドメイン」で登録する
APIでサーチコンソールを叩くときに、最初に必ず確認しておきたい設定があります。サーチコンソールのプロパティには2種類あります。
- ドメイン型(例:sc-domain:example.jp)
- URLプレフィックス型(例:https://example.jp/)
APIから安定して取得したいなら、ドメイン型のプロパティに対して権限を付与するのが正解です。理由は、URLプレフィックス型に権限を付けても、httpとhttps、wwwのあり・なしといった表記違いで弾かれ、同じサイトのはずなのにアクセスが拒否される(403エラー)事態が起こりやすいからです。ドメイン型なら、これらの表記違いをまとめて1つのプロパティでカバーできます。
ここを知らずにURLプレフィックス型に付与してしまうと、「権限は付けたはずなのにAPIが通らない」という原因の分かりにくいトラブルに時間を取られます。最初からドメイン型で登録・付与しておけば、この回り道は避けられます。なお、権限を付与した直後は反映まで数分のタイムラグがあり、アクセスが通ったり通らなかったりします。付与直後にエラーが出ても、数分待ってから再確認すれば安定します。
こうして取得した数字は、記事ごとに「表示・クリック・CTR・掲載順位」を1枚の表にまとめておくと、毎朝あるいは週次で「直すべき記事の順番」がそのまま出てくる状態になります。分析のたびに画面を開く手作業がなくなり、判断に集中できます。
どの記事をどう直すか、判断基準
数字が自動でそろっても、「で、どれから直すのか」を決められないと意味がありません。弊社では次の基準で優先順位をつけています。
- 表示が多い×CTRが低い:最優先。タイトルとメタ説明文を、実際に表示されている検索語に寄せて書き直す。記事を新しく書くより即効性が高い。
- 掲載順位が8〜15(1ページ目の下〜2ページ目):あと一押しで1ページ目上位に届く位置。記事内容の追記と、関連記事からの内部リンク集約で押し上げる。
- 表示回数がほぼゼロ:そもそも誰もその言葉で検索していない。タイトルに検索語を入れて、まず土俵に上げる。
- CTRは高いが表示が少ない:内容は刺さっている証拠。同じテーマの記事を増やして横展開する余地がある。
リライトは「URLを変えずにタイトルだけ」直す
改善の実作業で一番気をつけるのは、URL(スラッグ)を変えないことです。タイトルとメタ説明文だけを書き換え、記事のURLはそのまま残します。
- URLを変えなければ、301リダイレクトの設定が不要
- これまで積み上げてきた検索評価をそのまま引き継げる
URLごと変えてしまうと、検索エンジンからは別ページ扱いになり、それまでの表示・順位の蓄積がリセットされかねません。「表示は付いているがCTRが低い」記事は、評価を引き継ぐことが命です。だからこそタイトルとメタだけを直す。作業前には旧タイトルと旧メタ説明文をファイルに控えておき、いつでも元に戻せるようにしておくと安心です。
直したあとは、サーチコンソールで同じ記事の表示・CTR・順位が数週間かけてどう動いたかを追い、GA4で流入セッションと滞在時間の変化を確認します。ここでGA4が効いてきます。「直す場所を見つける」のがサーチコンソール、「直した効果を測る」のがGA4、という役割分担が最後まで一貫します。
まとめ
ブログ改善でやることは、突き詰めると次の流れです。
- GA4とサーチコンソールは役割が違う。改善の起点はサーチコンソールの「表示・CTR・順位」
- 両方の数字はAPIで自動取得できる。サービスアカウント1つで両ツールを読み、定期実行で毎回の手作業をなくす
- サーチコンソールはドメイン型で登録・付与する。URLプレフィックス型は表記違いで弾かれやすい
- 「表示は多いのにCTRが低い記事」を最優先で、URLを変えずタイトルとメタだけ直す
- 直した効果はGA4で追う
派手な新規記事を量産するより、すでに検索に表示されている記事の取りこぼしを拾うほうが、はるかに早く成果に変わります。まずは自分のブログで「表示は多いのにクリックされていない記事」が1本ないか、サーチコンソールで確認するところから始めてみてください。