LINE公式アカウント×エルメで追客を完全自動化した。ウェビナー案件の設計と失敗の記録

「問い合わせは来ているのに、フォローが追いつかない」

多くの事業者が抱えるこの問題の根本は、追客が「人の手」に依存していることだ。見込み客が増えるほど、追客の工数が比例して増える。スケールしない仕組みでビジネスを動かしている状態だ。

ある教育サービスの案件で、この問題をエルメとSimuliveシステムの組み合わせで解決する設計に取り組んだ。F-1からF-9まで、9ステップにわたる構築の中で、失敗と修正を繰り返しながら見えてきたことがある。

エルメとは何か、なぜ使うのか

エルメ(L Message)は、LINE公式アカウントの機能を大幅に拡張できるツールだ。無料のLINEメッセージだけでは実現できない、高度な自動化を可能にする。

主な機能は次の通りだ。

  • タグ管理:ユーザーの行動履歴に応じてタグを付与・変更する。誰がどこまで進んでいるかを管理できる。
  • シナリオ配信:登録から一定期間後にメッセージを自動送信するステップ配信。
  • 計測URL:URLのクリックを計測・記録する。どのリンクが踏まれたかを把握できる。
  • サロン予約:個別相談・面談の日程調整を自動化する。リマインドメッセージも自動送信される。
  • フォーム:LINEの中でアンケート・申し込みを完結できる。

これらを組み合わせることで、見込み客の「現在の状態」に合わせたメッセージを自動で届けることができる。

クライアント案件の全体設計

このプロジェクトで設計したのは「LINE登録→3daysウェビナー視聴→個別相談→成約」というセールスファネルだ。

構築した要素を列挙すると規模感がわかる。タグ15個・テンプレート13個・フォーム3個・計測URL6個・サロン予約3個・タグアクション9個。これをF-1からF-9の9ステップで構築した。

Day1〜Day3の各ウェビナーにはSimuliveシステムのURLが対応している。登録者はエルメ経由でリマインドを受け取り、URLを開くとカウントダウンが始まり、時刻になると動画が自動再生される。視聴完了・遅刻・未視聴の状態に応じて、次のメッセージが分岐する。

最初の設計ミス:シナリオで組もうとした

設計の序盤でぶつかった失敗がある。視聴リマインドをエルメの「シナリオ機能」で組もうとしたことだ。

当初の設計はこうだった。LINE登録後にシナリオが発動し、一定時間後にDay1の視聴URLを送る。視聴完了のタグが付いたらDay2の案内を送る。遅刻のタグが付いたら次の回の案内を送る。Day2・Day3も同様の分岐を作る。

実際に組み始めると、条件が急速に増えた。Day1×3状態(視聴完了/遅刻/未視聴)×Day2へのタイミング×Day2×3状態×Day3への分岐。組み合わせが爆発的に増え、どのシナリオがどの条件で発動するのか、途中から自分でも追いにくくなっていった。

「これは設計ミスだ」と判断して、一度立ち止まった。

正解はサロン予約のリマインド設定だった

問題を整理すると、本質はシンプルだった。「視聴URLをリマインドとして送る」だけでよかった。

エルメのサロン予約機能には、確認メッセージ・前日リマインド・当日リマインドを設定できる機能がある。このリマインドメッセージに{視聴URL}のプレースホルダーを埋め込む。予約者のDay番号に対応したURLが自動で差し込まれる。

シナリオで複雑な条件分岐を作る必要はなかった。サロン予約という「既存の仕組み」を正しい用途で使い直すだけだった。

この切り替えで、設計全体がシンプルになった。管理のしやすさが格段に上がり、後から修正・追加が容易になった。

タグ設計の重要性

エルメの自動化で最も重要なのは、タグ設計だ。タグはユーザーの「現在の状態」を記録するラベルだ。設計が粗いと、後から「この人はどこまで進んでいるか」が追えなくなる。

クライアント案件では15個のタグを設計した。登録経路・視聴状態・個別相談申込状態などを管理するタグだ。

タグ設計で意識したのは「一つのタグが一つの状態のみを表す」という原則だ。複数の意味を一つのタグに持たせると、後から条件の読み取りが複雑になる。タグの粒度を細かくしすぎると管理が大変になる。この塩梅を最初に決めておくことが、設計のシンプルさを保つ鍵だ。

計測URLがセールスの見える化を実現する

計測URL6個は、セールスの各ステップに配置した。どの計測URLが踏まれたかを見ることで、ファネルのどこで離脱しているかがわかる。

視聴完了URLのクリック数 vs サロン予約の申込数を比較すれば、「視聴完了者の何%が個別相談に申し込んでいるか」がわかる。ここの数字が低ければ、Day3の動画内でのオファーの訴求力に問題がある可能性が高い。

遅刻URLのクリック数を見れば、「次の回に誘導できているか」がわかる。次の回のリマインドが届いた後の視聴率と合わせて見ることで、遅刻者へのフォローの効果が測れる。

計測URLは「どこで何が起きているか」を可視化するための仕組みだ。感覚でなく数字でファネルを改善できる。

まとめ

LINE公式アカウント×エルメの追客自動化は、正しく設計すれば「人が動かなくても見込み客が育つ」仕組みを作れる。しかしその設計を間違えると、複雑で管理しにくいシステムになってしまう。

クライアント案件での失敗(シナリオの複雑化)と修正(サロン予約リマインドへの切り替え)は、「シンプルな設計を保つ」というLINE自動化の本質を教えてくれた。

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