「Googleで全然出てこないんですが、何かできますか?」
この相談が来たとき、まず確認することがある。そもそもサイトはGoogleにインデックスされているか。タイトルタグは正しく設定されているか。不要なページがインデックスされていないか。
多くの場合、基本的な設定の漏れが原因だ。SEO対策と聞くと「コンテンツを増やす」「外部リンクを集める」という方向に目が向きがちだが、土台となる技術的なSEO設定が整っていないと、コンテンツがいくら良くても評価されにくい。
graciautoが実際に対応した2件の事例を通じて、WordPressサイトのSEO設定で最初にやるべきことを解説する。
事例1:そのクライアント(不動産)の場合
関東圏のある不動産会社からSEO設定の依頼を受けた。サイトはWordPress + Elementor + RankMath SEOという構成だ。
依頼の内容は2点だった。「下層ページを検索結果に出したくない」「タイトルが簡素すぎる」。
サイトを確認すると、タイトルタグが「戸田市のクライアント」という形になっていた。サービス内容も地域も伝わらない、非常に弱いタイトルだ。検索結果に表示されても、クリックされにくい。
また、会社概要や個別の事例ページなど、検索流入を期待していない下層ページが大量にインデックスされていた。ページ数が増えるとクロール予算が分散し、重要ページの巡回頻度が下がるリスクがある。
対応1:下層ページのnoindex設定
下層ページ全体にnoindexを設定するために、WPCode(WordPressのコードスニペット追加プラグイン)にPHPスニペットを追加した。
add_action('wp_head', function() {
if (!is_front_page()) {
echo '<meta name="robots" content="noindex, follow">';
}
}, 1);
このコードは「トップページ以外のすべてのページにnoindexタグを自動挿入する」という動作をする。トップページだけをインデックスし、その他のページは検索結果に表示しない設定だ。
注意点として、noindexにしてもfollowは維持している。クローラーにリンクを辿ることは許可しながら、ページ自体はインデックスしないという設定だ。
対応2:タイトルとメタディスクリプションの修正
RankMathの設定でタイトルとメタディスクリプションを変更した。
変更後のタイトル:「埼玉・東京近郊、全国で不動産売買・相続・リフォーム | そのクライアント」
変更前の「戸田市のクライアント」と比較すると、情報量が格段に増えた。何をしている会社か(不動産売買・相続・リフォーム)、どこをカバーしているか(埼玉・東京近郊・全国)が一目でわかる。
タイトルは検索結果の「顔」だ。同じキーワードで複数のサイトが並んだとき、タイトルの情報量とわかりやすさがクリック率を左右する。
事例2:腸活サプリECの場合
腸活サプリを扱うあるECクライアントからSEO対策の依頼を受けた。サイトはWordPress + Elementor構成で、SEOプラグインが入っていなかった。
最初にGoogle Search Consoleを確認したところ、致命的な問題が発覚した。サイトがそもそもGoogleにインデックスされていなかった。
サイトがインデックスされていない原因はいくつか考えられる。robots.txtでクロールを拒否している。WordPressの「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」設定がオンになっている。サイトが新しすぎてGoogleに発見されていない。メタタグでnoindexが設定されている。
この案件では、複合的な原因があった。
対応:PHPスクリプトでSEO設定を一括追加
SEOプラグインを追加インストールする方法もあるが、Elementorとの競合リスクがあった。代わりにMUプラグイン(Must Use Plugin)として、SEO設定のPHPファイルを直接設置する方法を取った。
MUプラグインはwp-content/mu-plugins/フォルダに配置するだけで自動的に有効化されるPHPファイルだ。通常のプラグインのように管理画面から有効化する必要がない。
このPHPファイルで一括設定したのは次の項目だ。
- インデックス許可(
noindexの除去) - titleタグの最適化
- meta descriptionの設定
- OGP(SNSシェア用のメタタグ)の設定
- キーワードメタタグ(サプリ・腸活・名古屋・一宮・ごぼう茶)
- sitemap.xmlのGoogleへのping送信
プラグインを追加せずにSEOの基本設定をすべて実装できた。
多くのWordPressサイトが見落としているSEO設定
2件の事例を通じて、WordPressサイトのSEO設定でよく見落とされている点をまとめる。
1. インデックス設定の確認
WordPressには「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」というチェックボックスが管理画面に存在する(設定 → 表示設定)。開発中に設定したものが本番リリース後もそのままになっているケースがある。
まず最初にこの設定を確認する。
2. 不要ページのnoindex
タグページ・カテゴリページ・添付ファイルページ・検索結果ページなど、コンテンツが薄いページが大量にインデックスされていると、サイト全体の評価が下がるリスクがある。これらはnoindexに設定する。
3. タイトルタグの情報量
「サイト名」だけのタイトルは弱い。「何をしているか」「どこで」「誰のために」が伝わるタイトルに変える。30〜35文字以内で情報を凝縮する。
4. メタディスクリプションの設定漏れ
設定されていないページは、Googleが本文から自動生成する。自動生成の文章は必ずしも魅力的ではない。重要なページには手動で設定する。
5. 画像のalt属性
画像には必ずalt属性を設定する。検索エンジンは画像の内容を認識できないため、alt属性のテキストから判断する。キーワードを自然に含めた説明文を設定することで、画像検索からの流入も期待できる。
SEO対策の優先順位
SEO対策は「やることが多すぎて何から始めればいいかわからない」という状態になりやすい。優先順位は次の通りだ。
- インデックス設定の確認(サイトが見えているか)
- タイトルタグの最適化(クリックされるか)
- 不要ページのnoindex(評価が分散していないか)
- メタディスクリプションの設定
- 画像のalt属性
- ページ表示速度の改善
- コンテンツの充実
1〜3ができていないサイトが意外と多い。コンテンツを書く前に、まずこの土台を整える。
まとめ
クライアントとそのクライアントの2件を通じて、SEO対策の「見落としやすい基本」を実際の作業ログとして紹介した。タイトルタグの最適化・下層ページのnoindex・インデックス設定の確認。これらは難しい施策ではないが、確認できていないサイトが多い。
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